外国籍社員が入居中支援も
3万4000戸を管理する良和ハウス(広島市)は、外国人入居者の受け入れに注力する。広島市西区の楠木店は外国人専門店舗として、外国籍の社員を集中的に配属。2024年の外国人顧客の仲介件数は20年比で230%に増加した。
楠木店は、日本人の藤岡俊輔店長と外国籍社員8人が勤務する。対応言語は英語・中国語・ベトナム語など7カ国語。良和ハウスの他店舗に訪れた日本語が得意でない外国人も楠木店に案内し、同店の外国籍社員が対応する。
接客から入居中のトラブル対応まで、外国籍社員が一貫して担当できることが特徴だ。ごみの捨て方や共用部の使い方といったルールの説明はもちろん、ライフラインの契約もサポートする。入居後に近隣の日本人入居者から外国人入居者へのクレームがあった場合、外国籍社員が外国人入居者に連絡。日本の慣習やルールを説明し、トラブルを解決する。
良和ハウス楠木店の外観
同店の周辺エリアでは、オーナーの理解も進んでいる。藤岡店長は「オーナーにも当社の外国籍社員によるサポートを知ってもらえるようになってきた。入居審査では『良和ハウスが管理するなら』と外国人の入居を快諾してもらえるケースが多い」と話す。
楠木店を外国人専門店舗としたのは20年のことだ。16年、楠木店に中国籍の社員が入社したところ、外国人の仲介件数が一気に伸びた。これを受け、各店舗の外国籍社員を集めて楠木店を外国人専門店舗とした。賃貸営業部の飛田健太部長は「広島県は24年における転出超過数が全国1位。オーナーに対して外国人の入居を勧めることで入居者の間口を広げ、安定した入居率を維持していく」と話す。
(2025年6月9日2面に掲載)