賃料30%アップに成功
2016年02月08日 | リノベーション
オレンジ色のクロスが決め手に
「ターゲット通りの入居が決まってほっとしています」。
仲介、管理やリノベーションを手掛けるルームキューブ(東京都台東区)の榎本敦史社長はこう語る。
JR京浜東北線「北浦和」駅から徒歩5分の日昇コーポ(埼玉県さいたま市)は築45年、木造2階建てのアパート。
1階の角部屋を相場賃料の5万円で募集したところ、入居が2カ月間決まらなかった。
それもそのはず、風呂はバランス釜で洗濯機置き場はバルコニーにあり、畳は擦り切れたり汚れたまま。
天井裏は「ネズミがはっている音がする」と、以前の入居者から相談があったほどだ。
オーナーは「20~30代の若い人に入ってほしい」という要望だったが、ネットで物件探しをする世代が「住みたい」と感じるような要素はほとんど見当たらない状態だった。
「物件探しをするときのチェック項目のうち、『2階以上』『オートロック』以外は全てクリアできるようにしました」(榎本社長)
スケルトンにし、風呂やキッチンなどの設備は全て交換した。
壁、天井クロスや床の貼り替え、間取りの変更などトータルで210万円投資し、工期は約50日間。
賃料は1万7000円アップの6万7000円にした。
間取りは従来6畳の部屋が2室だったが、間仕切りを取って4.5畳と8畳の2室にした。
また、玄関を入ってすぐに、間仕切りとして棚を設置。背面の板が抜けているタイプで、部屋の一番奥にあるエアコンの風が入り口にあるキッチンまで届くようにした。
室内からの光も届くので、日の当たらないキッチンや玄関も明るい。
入居の決め手になったのは、オレンジ色のアクセントクロス。
「この色のクロスは他にない」と、ネットの画像を見て内見した女性が決めた。