電鉄系不動産会社大手として、渋谷を中心とした沿線の都市開発を推進する東急不動産グループ。5月10日に、東急HDを親会社として東急不動産、東急コミュニティー、東急リバブルが経営統合することを公表。
9月2日に東急HDの東京証券取引所市場第一部への新規上場が承認されたことでいよいよ、経営統合がま近に迫ってきた。経営統合の背景として、不動産市場を巡る競争の激化がある。グループの一致団結による経営基盤の強化が急務だ。持ち株会社としての上場により、財務基盤を強化することも目的の一つだ。金融機関からの借り入れ余力も増える。「企業として成長分野に重点的に資源を分配していくことが可能になります」と同社は語る。同グループは銀座や渋谷の大型開発案件にも携わっており、上場により、プロジェクト遂行のための、安定した資金調達も容易になる。
同グループは総合不動産グループとして成長するために中期経営計画「Value Innovation 2013」を設定。プロジェクトの重点戦略のうち、「REIT(ファンド)事業の展開による循環型再投資モデルの進化」の一環として、9月2日に私募リート市場に参入することを発表した。組成時期や規模については未定だが、組み入れ資産の種別は、オフィスビル・賃貸住宅・商業施設・ホテル・物流を含めた総合型を検討しているという。
同グループは、2012年にアクティビア・プロパティーズ、2013年にコンフォリア・レジデンシャル投資法人を組成。今回の私募リートでは中・長期にわたって投資を行う年金基金などをターゲットとしていく。