賃貸マンションの企画・建築・管理を手がけるグッドライフカンパニー(福岡市)は、建築事業をメインとして売り上げを伸ばす。創業以来、企画・建築した賃貸マンションは140棟4448戸に上る。企業経営者など富裕層の投資家を顧客とし、建設用地を販売後、賃貸マンションの建築と完成後の管理を行う。2018年には東証JASDAQ(ジャスダック)市場に上場。商圏の拡大、建築体制の強化を進める。管理戸数は5500戸(23年8月末時点)と順調に積み増す。成長を続ける同社の髙村隼人社長に、実績と成長の軌跡、展望について聞いた。
売上高80億円超 69.9%増収を予定
―御社の事業内容と実績を教えてください。
当社は、福岡県、熊本県、沖縄県の都心部を中心に、賃貸マンションの建築事業と管理事業を展開しています。グループでの22年12月期決算は、売上高80億6100万円で前期比9.1%の増収でした。売り上げは、決算期の変更を行った15年12月期を除き、創業以来14年連続で過去最高を更新しています。賃貸マンションの建築用地の売買、設計と建築を行うアセットマネジメント事業が主軸です。同事業の売り上げは72億900万円で、全体の89%を占めています。そのほかに、賃貸仲介と賃貸管理、家賃債務保証を行うプロパティマネジメント事業、管理物件にプロパンガスを供給するエネルギー事業を展開しています。
―今期の見込みは。
23年12月期は、土地や建築物件の販売件数が前期比で13件増加する見込みで、売上高は137億円と前期比で69.9%増の予定です。24年12月期はすでに約900戸の完工を計画しています。
熊本の案件6割 建設人員を強化
―主力事業のアセットマネジメント事業について教えてください。
賃貸マンションの建築エリアは、累計の棟数では熊本県が最多で、全体の6割ほどを占めています。1棟あたりの総戸数は平均で32戸です。直近4年間の総事業費の平均は5億円。22年12月期は15棟620戸を建築しました。
―顧客の属性を教えてください。
顧客層は企業経営者や富裕層など、純金融資産が3億円以上の投資家が中心です。
―売上高が伸びた要因は何でしょうか。
仕入れ部門と建築部門の採用を強化したことが大きいと考えています。21年12月から1年間で仕入れ部門は4人、建築部門は8人採用しました。これにより土地の仕入れ件数の増加や着工の遅れの改善につながり、業績を伸ばすことができました。
安定した管理受託 5500戸に積み増し
―管理戸数も着実に伸ばしていますね。
プロパティマネジメント事業の売り上げのうち、賃貸管理が約85%を占めます。基本的には一般管理で、23年8月末時点で5500戸を受託しています。入居率は年間平均で99%を維持しています。これは立地の選定や、土地の特性と入居者目線に合ったプランを企画していることが要因と考えています。
一気通貫体制に強み 販売価格を抑制
―土地の仕入れから出口戦略まで、御社で一貫して行っていますね。
当社の強みの一つとして、ワンストップでの不動産サービスの提供があります。ワンストップの利点として、物件価格を抑えて投資家に提供することが可能になる点が挙げられます。近年、土地の価格や建築費用の高騰が続いています。当社は土地の仕入れ、設計、建築、完成後の賃貸仲介や管理、売却まで行うため、一つの事業だけで利益を上げる必要がありません。1棟に対して収益を得る機会が多い分、利回りを高く提供できます。また、顧客にとっては複数の企業とやりとりする必要がなくなり、当社にすべて任せることができる点もメリットになります。