賃貸住宅フェア2022in東京 出展者紹介~第7弾~

Cowalking(コウォーキング),マテバ,大建工業,ティティエヌコーポレーション,高千穂シラス

管理・仲介業|2022年07月26日

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 当社は、賃貸住宅業界関係者のための展示会「賃貸住宅フェア2022㏌東京」を、26・27日に「東京ビッグサイト」で開催する。本特集では、出展企業の中から5社をピックアップする。

Cowalking、空き物件周辺情報をリサーチ

独自基準で「住みごこち」評価

 ウオーキングの指導や街歩きイベントの運営などを行うCowalking(コウォーキング:東京都港区)では、2021年11月より不動産の周辺状況を調査・報告するサービス「周辺環境リサーチ」を提供している。

 遠方に住む投資家や移住予定者、空室対策や入居促進策に悩むオーナーや不動産会社に対し、物件の周辺環境を代理で調査・報告するサービスである。対象物件の1~1.5km圏内にあるスーパー・コンビニエンスストアをはじめとした商業施設の品ぞろえや駅までのアクセス、街灯の数などを、実際に現地を歩くことで細かく調査する。写真や動画で生活エリアとなる場所を記録。自然環境や日当たり、どんな人が周辺に住んでいるかなど、独自の指標に基づいて総合的に評価した「住みごこち調査報告書」を作成する。費用は1物件につき10万1000円(税込み)から。制作期間は物件ごとに変わるが2週間程度。物件の紹介動画の作成などの有料オプションもそろえている。

販促ツールとして、周辺地域の地図を作成するオプションもある

販促ツールとして、周辺地域の地図を作成するオプションもある

 オーナーや管理会社にとっては、今まで気付かなかった物件のアピールポイントを見つけることで、新たな販促方法を考えるきっかけとなる。物件の購入や賃貸物件への入居を検討している人の場合、数字だけではわからない、夜道の暗さや人通りの多さなどを知ることができる。

 篠田洋江社長は「周辺エリアの魅力は、そのまま物件の付加価値となる。街歩きの経験を生かして、今後もより多くの人に当サービスを提供していきたい」と話す。

マテバ、オーナー自ら物件紹介

広告宣伝費を削減

 不動産仲介支援サービスを手がけるマテバ(東京都渋谷区)は、9月よりオーナーと入居者をマッチングするプラットフォーム「マテバ」を展開予定だ。

 オーナーはマテバ上で物件を探している利用登録者の入居希望条件を検索し、条件に合った所有物件を利用登録者へ提案できる。利用登録者とオーナーはチャットでやりとりし、マテバ上で内見予約や入居審査を行い、電子契約ツールを用いて賃貸借契約を結ぶ。

マテバの仕組み

 マテバが手がける家賃債務保証も契約可能だ。保証委託料は月額賃料の5%で、更新料は無料。クレジットカード決済に対応し、還元ポイント獲得による加入の増加を狙う。最大保証期間は24カ月。保証サービスには家財保険や、鍵や水回りなどに関する24時間駆け付けサービスも含まれる。

 オーナーが支払うマテバの利用金額は成果報酬型であり、1件の成約につき5万5000円、同社の家賃債務保証を契約した場合は3万3000円(いずれも税込み)。入居希望者の利用は完全無料となる。

 賃貸仲介では、オーナーは所有物件を入居希望者に紹介してもらうために、不動産会社に広告費用を支払うケースがある。マテバはオーナーが負担する費用を抑え、賃貸仲介市場が活性化することを目的として、不動産会社が介入しない仲介システムの構築を目指した。

 筒井太一朗社長は「β(ベータ)版の反響がよかったため、家賃債務保証も加えた正式リリースを行うこととなった。正式リリース後は、1年間で約1万件の物件登録、成約件数2000件を目標とする」と語る。

大建工業、屋上の空きスペースで貸農園

廃材使った土で運営容易に

 建築資材の開発・販売を行う大建工業(大阪市)は、2023年4月よりオフィスビルやマンションの屋上を活用した貸農園「プチまち菜園」を提供予定だ。同社が開発した培地の展開のため、運営支援サービスを含めた提案を行う。

プチまち菜園の導入イメージ。

プチまち菜園の導入イメージ。屋上の空きスペースを活用する

 気軽にできる農業体験として近年注目を集める貸農園だが、都心部で運営する際、敷地の確保が課題となっていた。目を付けたのはビルやマンションの屋上やオープンスペースだが、水はけが悪いと建物の劣化につながる。そこで、大建工業が21年1月に開発したのが、環境に配慮した園芸用土「グロウアース」だ。グロウアースは、国産の端材や間伐材を粉砕処理した培地で、通常の土と比べ水はけが良く、重さが約半分。燃えるごみとして処理できるため、屋上への運搬や管理が容易となる。

 プチまち菜園のセット内容はグロウアース、プランター、休憩用のベンチ、花木の種や苗などだ。保守メンテナンスや貸農園の運営に関するアドバイスなども行い東京23区内のマンション・ビルや商業施設のオープンスペースへの提案も予定している。導入条件は屋上に手すりが設置されていることや、耐荷重性があることだ。

 新規事業開発部の桐ヶ谷誠氏は「都心部では、自然に触れる体験として貸農園のニーズが高まっている。脱炭素社会の実現のため、環境に配慮した培地を使用して地域貢献に寄与していく」と語る。

ティティエヌコーポレーション、樹脂製の畳、新発売

安価かつ高メンテナンス性

 畳の製造・販売を行うティティエヌコーポレーション(兵庫県伊丹市)は8月より、樹脂製の畳表「タタミックス」を新たに販売する予定だ。

 樹脂製の畳表は高価な商品が多いが、タタミックスは安価な天然イグサの畳と同価格で提供できることが大きな特徴だ。樹脂製のため、水をこぼしても拭き取ることができ、シミにならずメンテナンス性が高い。蛍光灯や太陽による日焼けの影響も少ないため、設置当初の色を長く保つことができる。虫がつきづらく、防菌・防カビ性能が天然イグサの畳よりも優れている。

樹脂製の畳表は日焼けしづらく色が長持ちする

樹脂製の畳表は日焼けしづらく色が長持ちする

 国内の畳の生産量は年々減少している。畳のデメリットであるメンテナンス性の低さや見た目の古くささを払拭できるタタミックスを活用し、和室や畳の良さを再認識してもらうことが同製品の開発理由だ。若い世代が多く住む賃貸住宅で導入しやすくするために、安価な価格帯で販売できる素材を探し使用した。

 法人営業部中谷謙介氏は「今は1色のみの提供だが、今後はカラー展開もしていく予定だ。和室に対しておしゃれなイメージを持ってもらえるような商品開発を続けていきたい」と話す。

高千穂シラス、自然素材「シラス」の壁材

消臭・抗菌作用あり

 火山源の物質から成る白色砂質堆積物であるシラスを活用した住宅建材を開発・販売する高千穂シラス(宮崎県都城市)では、シラス壁材「BioceraFit(ビオセラフィット)」を販売している。

 消臭効果が高く、湿度を調整する機能もあり結露の発生を防ぐ。ビニールクロスの上から施工するため、貼り替えの必要がなく、ヘラやローラー・コテを使い工期も短く簡単に施工できる。

シラスの持つ消臭機能や調湿機能により、快適な部屋づくりを実現できる

シラスの持つ消臭機能や調湿機能により、快適な部屋づくりを実現できる

 シラスは自然素材であるため、シックハウス症候群など化学物質過敏症の人でも安心して過ごせる部屋づくりが可能だ。抗ウイルス効果も実証しており、新型コロナウイルスにも不活化効果があることが確認できている。

 シラスを使った内装材はほかにもあり、カラーバリエーションを豊富にそろえた商品や取り付けが簡単な内装パネルも用意している。

 同社R&Dセンターの中村純子課長は「シラスの内装材を使うことで、環境に優しい部屋や、健康に配慮した部屋など、差別化しやすい物件づくりが可能となる。シラス素材の認知度を高めて、快適な住空間づくりに役立てていきたい」と話す。

(2022年7月25日10面に掲載)

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