給与・評価制度を整備【賃貸住宅フェア2023 注目セミナー紹介】

ビレッジハウス・マネジメント,フォートレス・インベストメント・グループ,大和財託

賃貸経営|2023年07月13日

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 7月19日、20日に全国賃貸住宅新聞社が主催する「賃貸住宅フェア2023」の注目セミナーを紹介。今回は不動産会社経営者による座談会「給与、評価体系で変わる! 不動産会社社員のモチベーションアップ策」に登壇する2社の取り組みを伝える。

人材登用の道筋つくる

組織力を強化 執行役員も新設

 ビレッジハウス・マネジメント(東京都港区)は、組織力の高い会社づくりを進める。

 同社は世界的な投資会社フォートレス・インベストメント・グループ(アメリカ)の日本における賃貸管理会社だ。取得した旧雇用促進住宅約10万5000戸の運営を行う。年商は約360億円。従業員数は約1050人で、そのうち350人の正社員は、本社と七つの支社に勤務する。リーシングや入居者対応を行うPM部が6割、建物管理を行うBM部が4割となる。

 給与体系と評価には大きく二つの目線がある。

 まず、等級制度による昇給。非管理職は3等級、管理職は4等級に分け、等級が上がるごとに基本給が高くなる制度になっている。

 もう一つが、定期考査を踏まえた賞与額の査定だ。一般職はコンピテンシー(行動特性)11項目、マネジャー職はコンピテンシー11項目と組織マネジメント5項目の計16項目から評価を行い、その評価を踏まえ、年1回の賞与額を決める。評価は項目ごとに4段階となり、上長らによる2回の評価を行い、平均点を加えた総合点を見る。

 この時気を付けているのが、マネジャーによって評価に大きなずれが出ないように「目線を合わせる」ことだという。岩元龍彦社長は「どうしても個々のマネジャーごとに評価の緩さや厳しさなどの傾向が出てきてしまう。全体の状況を把握する私が、各支社長と話し合いながら、それを調整している」と話す。

 7月からは新たに執行役員のポストを設け、5人を登用した。全社を見て経営に携わる人材として、年齢は関係なく、会社への貢献度などを基に人選を行ったという。

ビレッジハウス・マネジメント 岩元龍彦社長写真

ビレッジハウス・マネジメント
東京都港区
岩元龍彦社長(49)

 商社、リーマン・ブラザーズ証券などを経て、2009年フォートレス・インベストメント・グループ・ジャパンに入社。現在、マネージング ディレクター。ビレッジハウス・マネジメントの代表取締役社長兼CEOも兼務。

半期毎に目標設定 面談で振り返り

 収益不動産を活用した資産運用コンサルティング事業を展開する大和財託(東京都渋谷区)は、能力・意欲を持つスタッフを評価し、優秀な人材が集まる会社を目指す。22年8月期の売上高は103億円。正社員は126人(1日時点)。

 昇進・昇給については「ミッション・グレード制」を採用。非管理職では、職種ごとに総合職、コーポレートスタッフ、建築技術職の三つに分け、総合職とコーポレートスタッフは4階級、建築技術職は5階級を設定。階級が一つ上がることに、年収で100万円ほど増えるイメージだ。

 これとは別に不動産の仕入れや販売、建築請負など、個人の成果が数値で明確に見える職種については、総合職の固定給をベースに、各人に割り振られた予算達成度合いに応じたインセンティブを設定。上昇志向の強い人材については、実績に伴い年収が大きく上がるシステムになっている。

 同社の評価制度において、特徴的なのは半期ごとの目標設定だ。全社で共通するのは会社の行動指針に準じた行動目標20個。それに加え、定量的な業務目標を3~6個それぞれ上長と相談しながら決める。期初に一度決定し、下半期のタイミングで目標の修正や、場合によっては新たな目標を追加する。藤原正明CEOは「2週間に1度、上長との面談の機会を設け、目標の達成度やしんちょくなどを確認する。目標設定の調整など軌道修正を行うこともある。マネジメント側は大変だが、人材が成長できる」と語る。

大和財託 藤原正明CEO写真

大和財託
大阪市
藤原正明CEO(43)

 2013年に大和財託を設立。収益不動産を活用した資産運用コンサルティング事業を展開。不動産と建築をかけ合わせたデベコン(デベロッパー×ゼネコン)を武器に資産運用領域で日本ナンバーワンの会社を目指す。

 

「給与、評価体系で変わる! 不動産会社社員のモチベーションアップ策」
7月20日(木)11時50分~12時50分
東京ビッグサイト 西1・2ホール Z-5会場にて

(2023年7月10日20面に掲載)

おすすめ記事▶『賃貸住宅フェア2023 フェア登壇者企業紹介』

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