空室をシェアルームに改修!上京ガール好みにして家賃アップ!【賃貸住宅フェア2024 東京セミナーレポート】

池上不動産管理

管理・仲介業|2024年12月12日

当記事は賃貸住宅フェア2024in東京で講演したセミナーを書き起こしたものです。

池上正芳社長画像

講演者

池上不動産管理
東京都世田谷区
池上正芳社長(63)

相場より家賃2万7000円アップ 女性に特化、フルリノベ

収納や設備に工夫 壁を有孔ボードに

 神奈川県川崎市にある築37年のワンルームマンションの家賃が、相場より月2万7000円アップした事例を説明したい。物件は親から引き継いだもので、ごく普通の古いマンション。管理会社には「家賃を下げるか、AD(広告料)を多く払わないと入居者が決まらない」と言われ、これは厳しいと思った。

 そこで私が考えたのは、ターゲットを明確にすることだ。20〜30代の女性、しかも地方から上京してきた人を入居者として想定した。最初はアクセントクロスを使って部屋の見た目をおしゃれにしていたが、これだと入居が決まる程度で、家賃が上げられない。

 もう少し工夫が必要というところで、賃貸会社と相談しながら、部屋をフルリノベーションした。

 靴置き場はオープン収納にした。3点ユニットバスは、若い人はシャワーだけでもいいのかと思い、風呂ではなくシャワーブースとトイレだけに。キッチンは造作して作り直し、可動式のIH(電磁誘導加熱)コンロを設置。これは作業台としても使用可能で、調理器具も置けるようになっている。またこの部屋には洗面台がないので、キッチンに大きな鏡を設置して、身支度などはここでできるようにした。

 クローゼットはオープンタイプにして、部屋が広く見えるように。隠したい場合はカーテンなどを使ってもらえばいい。収納については増やすようリノベしたが、ワンルームは収納力自体が低いため、そこをどうカバーしていくかが課題となる。また室内に洗濯物を干せるよう物干しを用意した。女性の入居者が多いので、これも喜ばれる。

 壁の一面は有孔ボードにした。有孔ボードはもともと穴が空いているため、壁に何か飾ったりする際に穴を開けるようなことが減り、退去時のトラブルが減少する。これはかなりおすすめしたい。

 このように、おしゃれに見えるようにいくつかの工夫を凝らした。

実際にリノベした居室

実際にリノベした居室

コストかさむも10年で110万の増収

 賃貸物件情報サイトで調べたところ、エリアのワンルーム賃貸は4万6000円程度が相場。しかし、この部屋は7万3000円で決まり、相場より2万7000円アップとなった。

 当然ながら、リノベにはかなりの費用がかかるが、リノベした場合と原状回復のみの場合の総収益を10年間で考えてもらいたいと思う。リノベして家賃が増えれば総収益も増える。私の場合は総収益が10年で400万円だったところが510万円程度まで増えたため、10年で110万円ぐらいはプラスになっている。2~3年では取り返せないが、長い目で見てもらえば途中で逆転してくるので、10年単位で収支計算表を作ることをおすすめする。

(2024年12月9日13面に掲載)

おすすめ記事▶『借地権を買い戻し古家再生 「753village」でエリアの価値上げる【賃貸住宅フェア2024 東京セミナーレポート】』

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