賃貸住宅の入居者向け火災保険を提供するChubb(チャブ)損害保険(東京都品川区)は5月25日、不動産関連システムを開発するイタンジ(東京都港区)とのシステム連携を開始した。これまで書面でやりとりしていた火災保険加入時の意向確認をオンライン化し、手続き業務の効率や入居者の利便性の向上を図る。
イタンジとシステム連携
イタンジの電子入居申し込みサービス「申込受付くん」と連携する。同サービスを利用する管理会社は、家賃債務保証会社の審査が完了した入居者に対して、申込受付くんの管理画面から損害保険同意書のリンクを記載したメールを送れるようになる。入居者は受け取ったリンクから同意書を確認し、同意することで火災保険に加入することができる。
今回、オンラインで契約できるようになる火災保険は「総括契約」となる。総括契約とは、賃貸管理会社が保険契約者となり、入居者が被保険者となる契約形態だ。管理物件の入居者は全員が保険に加入することになり、更新時も管理会社が手続きを行うことで更新漏れがなくなるという特長がある。
Chubb損害保険の不動産保険営業本部・堀俊和本部長は「当社の販売代理店で申込受付くんを利用する不動産会社からシステム連携について強い要望があった。2022年から一部の不動産会社で試験運用を行っていた」と話す。Chubb損害保険では、保険契約の手続きにおけるオンラインの割合が全体の2割強だという。今後も他社が展開する電子申し込み・契約サービスと連携を図り、契約の電子化を進める意向だ。
(2023年7月24日9面に掲載)