賃貸管理業界は事業再編・成熟期から衰退期に入ってきています。このような時流の中で、企業が持続可能な成長を達成する方法は三つしかないと考えられます。
まず一つ目は、シェアアップです。現状の日本の賃貸管理市場での残された管理戸数シェアの獲得は奪い合いになります。かなり強い差別化戦略が必要になりますが、ほかにはない少人数で管理するDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略や、資産運用提案ができる人材戦略などがあります。
二つ目は、市場の成長です。つまり賃貸管理業界の中、あるいは関連・新規業界の中で、より細分化した新業態・新ビジネスモデルへの展開です。要はニッチでも新しいマーケットへの挑戦です。
三つ目が、成長戦略型M&A(企業買収)です。成長ビジョンに合わせた企業買収(買い手)と、永続的な成長が期待できる買い手企業へのグループイン(売り手)です。
長く続く戦略重要 M&A利用し再成長
長年、賃貸管理業のコンサルティングを続けてきた、一コンサルタントとしては、当然「シェアアップ」や「市場の成長」を推進したくなる本能が残っていますが、現在は賃貸管理業専門M&Aを推進できる立場になり、180度考えが変わりました。
最も成長しやすく、最も永続できる戦略は何だろうかと考えるようになりました。もちろん、資本も人材もある、中堅・大手企業であれば、シェアアップも市場の成長にも挑戦していますが、そういった会社ほど、成長戦略型M&Aの買い手になっているのも事実です。