エム・ジェイホーム(滋賀県長浜市)は、滋賀県内をメイン商圏とする地場不動産会社だ。2023年度実績で年間賃貸仲介件数2800件、管理戸数6000戸と地域での存在感を高めている。現在は投資用アパートの開発に注力し、事業規模の拡大を図る。
開発に注力、売上17億5000万円
既存家主から受託 接触増やし信頼感
エム・ジェイホームは賃貸仲介・管理を主事業として成長してきた。売上高は23年11月期に17億5000万円。そのうち、不動産開発に関わる割合が50%を占める。そのほか、賃貸仲介が20%、管理が15%、売買仲介が10%、小口化事業・教育事業が5%という割合だ。賃貸仲介店舗は10店舗を運営する。
創業から18年で管理戸数を6000戸まで伸ばしてきた。20年ごろより開発事業の体制づくりのため新規受託を抑えており、戸数は現状維持としているが、19年以前は年間500〜800戸ずつ伸ばしていた。
管理を受託するオーナーは400人ほどで、ほぼ全員が投資家系だ。主に既存オーナーからの追加受託や、新規オーナーの紹介が新規受託数のうち約半数を占めるという。
葛川社長は「リピーターや新規顧客の紹介は、当社の管理に信頼を置いてくれているからこそだと自負している」と話す。既存オーナーの信頼を獲得するため、同社が心がけているのが「接触数」だ。従業員96人のうち、オーナーとコンタクトをとるのがPM担当の7人。オーナー担当制で、1人あたりおよそ80人のオーナーを担当する。
担当するオーナーを、必ず月に1回は訪問している。訪問以外でも、電話やオーナーアプリなどでコミュニケーションをとるようにしているという。連絡する内容は、巡回時に発見した物件の軽微な不備や、共用部の状況など。リノベーションを提案することもある。満室時でも同様の連絡・提案を行っており、頻度の高いオーナーとは、週に1回電話している場合もあるという。
「『自分の物件がほったらかしにされている』と思われないことが肝心。どんな時でも気にかける姿勢を崩さないよう徹底している。オーナーから『たった5%の管理手数料で、ここまでやってもらって悪いね』と声をかけてもらうこともある」(葛川社長)
入居率92%を維持 反響対応を分業化
既存オーナーから信頼を獲得している理由は、接触数のほかにも入居率が挙げられる。管理戸数6000戸のうち、全体的に入居率が低い北部エリアに立地する物件を含めても入居率92%をキープしている。