賃貸住宅管理・仲介会社向けの業務支援システムを提供するイタンジ(東京都港区)は2023年12月11日、売買仲介営業の自動追客システム「PropoCloud(プロポクラウド)」を提供するHousmart(ハウスマート:同)の株式を100%取得し、同社をグループ会社化することを決議したと発表した。同日、株式譲渡契約を締結。その後、両社は1月4日に経営統合を行った。
追客システムの会社M&A
イタンジは、Housmartの発行済みの全株式418万株を、24億9600万円で取得。
イタンジの永嶋章弘社長は「既存の顧客から売買向けのシステムの要望も多かった。また今後の成長を見据えると、基幹システムの販売と売買領域への進出は欠かせない」と話す。
同社は23年5月に基幹システムを発売し営業を強化中だ。並行して売買領域のシステム提供を行うために、M&Aを実施したという。HousmartのPropoCloudは、イタンジが提供する営業支援システムとの親和性も高く、両社の企業風土が似ていたことなどからM&Aを決断した。
まずは、両社の顧客へのクロスセル効果を狙う。イタンジのシステム導入企業で売買事業を行う会社には、PropoCloudの利用を提案する。その後、両社のエンジニアの勉強会、技術交流などを図る。中長期的には、システムの融合などの可能性を検討していく。
PropoCloudの23年9月期の売上高は2億8317万円。導入店舗数は700店舗だ。5年後には30億円の売上高を目指すとしている。
(2024年1月15日2面に掲載)