利益を新規事業へ投入
2024年、久しぶりに新型コロナウイルスの影響がない繁忙期ということで、賃貸管理会社の皆さまは非常に忙しい日々を過ごしているかと思います。今回は近年賃貸管理会社の成長戦略として注目される「コングロマリット(多業種間にまたがる企業経営)」について、話をしたいと思います。
衰退期に突入 出店もリスク
近年、賃貸管理業界は成長期を終え、徐々に衰退期に入っているといわれています。現にこの業界では企業の二極化の進行や企業買収(M&A)の増加など、衰退期の特徴が現れ始めています。
しかし、このような衰退市場であっても、企業が成長を止めるわけにはいきません。従来であれば賃貸管理会社の主要戦略といえば「出店」でしたが、現在の市場状況では収益回収に時間がかかり、出店に踏み切れない経営者も多くいます。
逆に、業界内では店舗の集約化や効率化の動きが見られます。この動きは賃貸管理業のみならず日本の中小企業全体で起こっていることでもあります。日本企業における中小企業数が圧倒的に多く、10億円以上の企業は全体の2.73%、100億円以上の企業は0.91%しか存在しません。(経済産業省「21年企業活動基本調査」)
このような状況下では、市場における二極化が進行し、売り上げだけでなく人材も大手企業に集中する傾向が高くなっています。
賃貸管理事業だけでは毎年大きな成長や2桁成長を継続するのが難しくなっているのが現実的な課題となる中で、賃貸管理会社はどのようにして成長を続けることができるのでしょうか?
ここで注目されているのが「コングロマリット経営」です。