全国900万戸、対策へ法整備進む

統計データ|2024年05月21日

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 2023年、国内の空き家の数は900万戸となった。国も対策に本腰を入れ、空き家の管理・活用・除却を円滑化するための法整備が進む。現状と政策方針、空き家の管理・活用を手がける企業の事例から、空き家問題の解決とビジネス化の可能性を探る。

宅建業ノウハウ生かし事業化

全住宅の13.8% 立法で対応に本腰

 24年4月30日、総務省は「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)」を公表した。空き家の戸数は900万戸、全住宅に占める割合は13.8%に達した。中でも「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」は385万戸と、1993年から2023年までの30年間で2.5倍になっている。

空き家数と空き家率の推移

 空き家は放置されると、衛生・治安面で地域に悪影響を及ぼす。14年、倒壊の恐れなどがある空き家への対応のため、空家等対策の推進に関する特別措置法(以下、特措法)が成立した。所有者に空き家の適切な管理の努力義務を定め、周囲に著しい危険を及ぼす恐れがある空き家を「特定空家」と定義。市区町村に特定空家の調査権限や除却の代執行を認めた。

特措法改正 早期の対処促進

 23年には、特定空家の除却促進に加え、早期の空き家の管理や活用を推進するため、特措法が改正された。

 放置すれば特定空家になる恐れがある空き家を「管理不全空家」と定義。市区町村は管理不全空家に対して指導・勧告を行う。勧告を受けた管理不全空家は、固定資産税評価額が6分の1になる住宅用地の特例を解除され、固定資産税は3~4倍ほどになる。

 空き家の活用拡大のため、市区町村による接道規制や用途規制を緩和する「空家等活用促進地域」の指定も可能になった。「空家等管理活用支援法人」を指定し、本人の同意を得た所有者の情報を提供することもできる。

不動産会社参入へ 報酬基準策定も

 国土交通省は、30年に470万戸になると予測されている賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家を、400万戸に抑えることを目標とする。

 目標達成のため、空き家の管理や活用への不動産事業者の参入促進にも取り組む。不動産・建設経済局は、24年中をめどに「不動産業による空き家対策推進プログラム(仮称)」をまとめる方針だ。

 適切な管理を行っていても、使われない住宅は劣化を免れず、何らかの形で活用していく必要がある。国交省では、売却・修繕・賃貸には宅建業者のノウハウが必要になるため、管理の段階から一貫して不動産事業者の関与が望ましいとして同プログラムの策定を進める。具体的には、売買や法律上の相談など空き家活用に関わる業務の報酬の基準や、現在多様な業種が参入している空き家管理業のガイドラインとなる予定だ。

 不動産・建設経済局不動産業課の大矢安佑子課長補佐は「空き家の活用は、地域の不動産会社が志だけでやっているようなケースも多い。空き家活用支援をきちんとビジネスとして成り立たせて、多くの事業者に参入してもらうことで、空き家の増加を抑制していきたい」と話す。

(2024年5月20日13面に掲載)

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