ペットと暮らせる共生賃貸特集

日生リビングシエスタ, アクセルラボ, 旭化成ホームズ, CCMworks(シーシーエムワークス)

その他|2021年12月23日

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ロフト付のワンルーム住戸(日生リビングシエスタ)

 コロナ下で家にいる時間が長くなった結果、ペットを飼育する世帯が増えている。一方、ペット飼育可賃貸の数はまだ多くないため、ペットを飼えるというだけで競合物件に大きな差をつけることができる。今回は注目のペット共生型賃貸に関わるサービス提供会社を紹介する。

動物にとって快適な室内環境を自動調整可能

日生リビングシエスタ、シリーズ初の共生型賃貸を竣工

 賃貸物件の建設から管理まで一社で担う日生リビングシエスタ(東京都東久留米市)が、同社初のペット共生型賃貸として「Siesta Duo(シエスタデュオ)一橋学園Contemuseo(コンテムセオ)East/West(イースト ウエスト)棟」を11月にオープンした。11月末時点で15戸の入居が決まっている。

 西武鉄道多摩湖線「一橋学園」駅から徒歩10分、2棟合わせて25戸の木造建築物件。West棟はロフト付きワンルーム、East棟は1LDKの間取りとなっている。ペットが足を滑らせないように床はフローリング柄のクッションフロアを使用した。East棟は犬、West棟は猫の飼育を想定。家賃は8万円前後で募集している。

シエスタデュオ一橋学園コンテムセオ イースト ウエスト)棟の外観写真

現代美術館をイメージした外観(日生リビングシエスタ)

 若い世代の1人暮らし、もしくは同棲カップルをターゲットとしており、外観デザインは現代美術館をイメージした。ダウンライト照明とブラインド式カーテンが付いており、入居後に用意する手間を省くことが可能だ。クローゼットなど固定の収納を設けていないため、部屋が広く見え、入居者は好きな収納家具を設置できる。

 下村尊彦社長は「今ニーズのあるペット飼育も想定した造りとなっているが、一般賃貸としても十分魅力がある物件だ。時代に合わせて入居ターゲットや募集方法の選択肢を増やせる物件づくりを今後も手がけていきたい」と話す。

 

アクセルラボ、見守りIoT機器のセット販売を開始

 住宅向けIoT機器やアプリの開発を行うアクセルラボ(東京都渋谷区)は12月、ペット住宅専門メディア「AMILIE(アミリエ)」と協力し、ペットとの暮らしをサポートできるIoTサービスを、不動産事業者向けに提供開始した。

IoTサービス商品の写真

左から、SPOT Mini、Indoor Camera、環境センサー(アクセルラボ)

 同社の提供するスマートホームアプリ「SpaceCore (スペースコア)」とさまざまなIoTデバイスを連携して活用する。例えば、室内の温度や湿度を感知する環境センサーにあらかじめ条件を設定しておくことで、「SPOT Mini(スポットミニ)」などの赤外線コントローラーがエアコンや床暖房を操作し、ペットにとって快適な空間を自動で整えることが可能だ。スマート宅配ボックスとの連動機能もあり、急に来訪した宅配事業者が鳴らしたインターホンによりペットが驚きほえてしまうことを防げる。遠隔で照明器具の操作が可能な「Dimmer & Motion Sensor(ディマーモーションセンサー)」や外出中に居室内の様子を確認するための「Indoor Camera(インドアカメラ)」なども、プランに含まれている。

 セールス・マーケティンググループ髙橋貢グループダイレクターは「IoT機器を活用することで、人間よりも環境の変化に敏感なペットが快適に暮らせる空間を手軽に整えることができる。ペット共生型住宅のソフト面をサポートするデバイスとして利用してほしい」と話す。

 

旭化成ホームズ、飼育マナーを確認する入居審査を実施

 全国で約10万戸の賃貸物件を管理する旭化成ホームズ(東京都千代田区)が提供しているペット共生型賃貸住宅「+(プラス)わん+にゃん」が注目を集めている。同シリーズの10月末時点の管理戸数は約9000戸で、2020年度よりも受注件数が伸びている状況だ。

+わん+にゃんの賃貸物件のイメージ図(旭化成ホームズ)

 入居者がペットと快適に住むことができ、オーナーも安心して部屋を貸すことができるさまざまなサポートをそろえている。まず入居申込時には審査を行い、ペットと飼い主のマナー意識を確認するほか、マナーハンドブックも全戸に配布。獣医師やドッグトレーナーと連携し、ペットの健康やしつけに関する入居者からの相談にも対応できる。部屋内には収納下にスペースをつくるなど、ペットも生活しやすい設備を取り入れた。敷地内には物件の規模にもよるが、ベンチなどを置いた休憩スペースを設けており、住民同士のコミュニケーションを誘発する環境を意識している。

ペットの入れるスペースの写真

ペットがくつろげる小スペースを室内に設けている(旭化成ホームズ)

 マーケティング本部営業推進部の玉光祥子氏は「入居者の『責任ある飼育』をサポートする体制をそろえており、トラブルを予防しマナーを守った長期入居につながっている。今後も今まで培ってきたノウハウを生かして、時代に沿ったサポートを提供していきたい」と話す。

 

CCMworks、ペット用床コーティング

 水回り設備の洗浄や原状回復工事など住宅に関する小工事を手がけるCCMworks(シーシーエムワークス:神奈川県中郡)では、ペット共生型住宅向けに滑り止めの床コーティング加工を行っている。

 じゅうたん並みの滑り抵抗値を持ち、ペットが走っても足が滑らず怪我や腰を痛めることを防げるコーティング剤だ。上から液体をこぼしたとしても、はがれることなく、水跡が残りにくい。ワックスをかけたときと同じように、床材を保護する性能もあるため、メンテナンス性が高いことも特徴だ。

 施工方法は、フローリングまたはクッションフロアの上に水性コーティング剤を塗布するだけ。1時間程度で乾燥するため、部屋の広さにもよるが1日以内で作業が完了することが多い。耐久年数は約15年。物件の特性にもよるが、㎡単価は税込み約3000円だ。

 吉崎孝代表は「コーティングを行うことで、既存住宅をペット共生型物件として新たに貸し出すという選択肢を増やすことができる。物件の付加価値を高めるために活用してほしい」と話す。

(2021年12月20日9面に掲載)

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