建物の外壁調査におけるドローンの活用が進んでいる。足場の組み立てや高所での作業が不要になり、コストや工期、作業員の安全性の面で大きなメリットが生まれるためだ。ドローン・フロンティア(東京都荒川区)は、高精度な撮影からデータ分析、報告レポートの作成まで一貫して手がけることで調査実績を増やしている。
撮影データ、建物管理に生かす
温度差で異常検知 工期・工費に利点
2017年に創業したドローン・フロンティアは社名のとおり、建物外壁調査におけるドローン活用の可能性を広げてきた会社だ。マンションをはじめ、オフィスビルや学校、病院、ホテル、商業施設など多様な建物を対象に、年間100棟以上の調査を実施している。具体的な事業内容としては、ドローンによる建物点検を主軸に、テレビ・映画などの空撮・映像製作、ドローンパイロット育成スクールの運営、ドローン調査におけるコンサルティングも行う。国土交通省が認定する国家資格、無人航空機操縦士の講習機関でもある。主軸事業とするドローンによる外壁調査は、管理会社からの依頼が増えてきた。
これまで外壁の調査方法として打診棒を使って外壁の反響音や感触の違いから異常の有無を診断する打診調査が一般的だった。ただ、調査可能範囲が作業員の手が届く箇所に制限されることから、足場の組み立てやロープアクセス、ブランコなどを必要とし、費用や工期、安全性に課題があった。