Q.流動化型の証券化は後から投資対象が決まる?
A.投資対象は先に決め、後でお金を集めるタイプです
2023年度に出題された問50を紹介します。不動産の証券化に関する問題で、正答率は31.1%と低めでした。
組織体〝ビークル〟 3タイプの証券化
不動産証券化の用語としての「ビークル」とは、資産の証券化などに際して、資産と投資家とを結ぶ機能を担う組織体をいいます。
ビークルの形式は、特定目的会社などの会社組織、特定目的信託の信託、匿名の組合組織などがあります。これらをつくるメリットは、リスクを資産の範囲に限定すること(倒産隔離機能)、生じる利益に対する二重課税を回避すること(パススルー機能と呼ばれる)があります。
不動産の証券化には、①資産流動化型②資産運用型(ファンド型)③開発型の三つのタイプがあります。
①の資産流動化型は、資産である不動産の保有者(オリジネーター)が、賃貸マンションやビルなどの資産を特別目的会社(SPC)に移転させます。SPCはその資産が生み出す収益を裏付けとした証券を発行して資金を調達します。
つまり、この①のタイプは、証券化の対象となる不動産が存在していることが前提となっています。
それに対して、②の資産流動化型は、複数の投資家から資金を集めて不動産に投資して運用し、その運用収益を投資家に分配する仕組みです。J-REIT(リート)はその代表例です。