賃借人が破産の申し立てをした場合の滞納賃料について
Q. 私の賃貸している建物の個人賃借人が破産の申し立てをしたようです。この賃借人は賃料を滞納していましたが、実際に破産してしまった場合、滞納されていた賃料は回収することができるのでしょうか。また、契約の解除などはどうなるのでしょうか。
A. 裁判所が破産手続きの開始を決定すると、破産手続きが始まります。破産手続き開始決定の前に賃料の滞納が生じていた場合には、その賃料は、破産債権と呼ばれる債権となります(破産法2条5項)。
この場合には、破産手続きという枠組みの中で、その賃借人に対して破産債権を持っているほかの債権者たちと平等な割合の金額でしか回収できないこととなります。そうなると、滞納賃料を1円も回収することができなくなる可能性があります。