内装工事のクラウドサービス「リモデラ」を提供するREMODELA(リモデラ:大阪市)。工事に関するタスク管理のオンライン化で、業務の効率化と透明化により受発注者間の情報格差を是正し、リフォーム業界の新常識確立を目指している。福本拓磨社長に、同社のこれまでの歩みと10月に開始した新サービスについて話を聞いた。
見積書作成に課題
―以前は不動産仲介事業を行っていたそうですね。
大学卒業後、コンサルティング会社でITを活用した企業の業務改善に携わりました。その後、独立して不動産の仲介事業やマンション管理などを手がけ、最終的には自社で建設業免許を取得し、リノベーション工事を行い収益物件を販売していました。当時は、建設業界のIT推進がなされていなかったことにとても驚いたのを覚えています。
―非効率に感じたのはどのあたりでしょうか。
自社で購入した中古物件をリノベする際の職人とのやりとりは、手書きの見積書とファクスが主流で、確認するのに時間を要していました。また見積書の数字の根拠が不明確なことや、現地に行く必要があるため見積書の作成に時間がかかってしまう点です。不動産会社と建設会社、双方の業務を経験したことで内装工事の非効率さをより感じるようになりました。
海外視察が転機
―転機となったのはスマートシティ「深圳(しんせん)」への訪問だったそうですね。
2018年ごろ新規事業のヒントを得るため海外に視察に出かけました。その中で中国の深圳を訪れた際に、買い物を代行するマッチングアプリや無人運転のバスなど、最先端技術が活用されているスマートシティを体験しました。深圳で出合ったものの一つ一つが衝撃的で、特に赤外線カメラを使い、空間を認識する技術との出合いが印象に残りました。
―どのように活用できると感じたのですか。
この技術があれば、現場に何回も行かなくとも見積もりができるようになると思いました。カメラを小型化してスマートフォンに搭載すれば、どこにいても寸法データを基に遠隔でリフォームの提案ができます。そこに未来のリフォーム業界の姿を見ました。