低層アパート向けの汎用品
1000種類以上を製造
ベアリング関連部品の製造など、金属加工事業を手がける中西金属工業(大阪市)は、賃貸住宅向けに引き違い窓用の戸車の販売を強化している。戸車とは、窓を開閉するときに窓がレールを滑るよう、アルミサッシ部分に取り付けるコマがついた部品だ。窓は、窓枠の下框(したがまち)と呼ばれる戸車が収まるスペースの深さや幅が、メーカーによって異なるため、戸車の規格もそれぞれ異なる。1000種類以上の引き違い窓用の戸車を製造している同社では、4種類の低層アパート向け汎用(はんよう)戸車を、自社EC(電子商取引)サイト「戸車Pro online(プロオンライン)」で販売している。入居者が入れ替わるタイミングや入居中の不具合発生時における修繕工事で、交換する商品としての需要を見込む。
同社では15年ほど前から、分譲マンションを対象に、戸車の交換事業を展開。関東・関西エリアで年間1万戸の交換実績を持つ。マンションの窓枠は共有部のため、管理組合でメンテナンスを計画・実施しなければいけない。分譲マンションの交換事業では、事前に現地調査を行い、引き違い窓に適合する戸車を調べることから始める。受注後に、必要な数量の戸車を製造。その後、居住者と日程調整し、各戸の交換作業を行う流れだ。受注から交換完了まで数カ月かかる。
一方、賃貸住宅市場において同社は、戸車の交換事業を行わず、原状回復工事や修繕の事業者に対し戸車の販売をしている。賃貸住宅では、事前に窓枠のサイズを測定し、適合する戸車の選定や製造をすることが難しい。交換作業が発生するのは、入居中に窓の開閉に不具合が出たときか、入居者が入れ替わるときなど、修繕を急ぐケースが大半だからだ。そのため、交換する戸車は、一定の幅や深さに合うようサイズ調整ができる汎用商品が一般的に使用されている。サイズ調整が可能な汎用商品であれば、事前に窓枠サイズを測定する必要がなく、一度の現地訪問で交換作業が完了する。
同社リフォーム部の前田昌則部長は「ホームセンターなどで手軽に購入できる他社の汎用商品は、サイズ調整ができる分、ズレや傾きが生じやすく、レールが傷付いたり、曲がってしまったりすることもある。レールが損傷し窓ごと交換することになると、高額の費用が発生してしまう。こうした課題を解消すべく、当社オリジナルの低層アパート向け汎用戸車の販売を強化することになった」と説明する。
曲がってしまった窓枠のレール
レールの損傷抑制
同社が製造してきた戸車の商品ラインアップの中に、レールの損傷を抑えることができる商品があった。それを低層アパート用の戸車として販売強化している。同商品は、数mm単位でサイズ調整可能だが、ビスで窓枠に固定するため、ズレや傾きが生じにくい。さらに、回転するコマ部分が樹脂のため、アルミ製のレールを損傷させにくい点も特長だ。
商品は2タイプ、各2サイズある。プレートを重ねサイズ調整するタイプは、コマ直径22mmの「FT-22」と36mmの「FT-36」。小さなばねで調整するタイプはコマ直径が21mmの「FV-21A」と36mmの「FV-36A」。価格は1個あたり、2420円(税込み)~。戸車Pro onlineでは、戸車の取り付け方を説明する作業仕様書の閲覧が可能だ。
「市販されている汎用商品に比べると価格は高いが、窓枠の損傷を抑え、賃貸住宅の資産性の維持に貢献できる。まずは、賃貸住宅の戸車交換について、このような課題があることを管理会社や家主に知ってもらいたい」(前田部長)
(2024年11月11日13面に掲載)




