東京23区で投資用ワンルームマンションの開発を行うアーバネットコーポレーション(東京都千代田区)は2024年、大きく動いた。M&A(合併・買収)に乗り出し、開発・建築会社を買収。老人ホームの開発に着手した。戸建て賃貸やホテルなど商品の拡充にも取り組む。社長に就任し2年たち、采配を振るう田中敦社長に話を聞いた。
過去最高の業績 前期比38%増
―24年6月期は大きく売り上げが伸びました。
前期比38%増で過去最高の279億6500万円を売り上げました。そのうち、不動産の開発・販売事業が277億4700万円と約99%を占めます。残りがホテル事業で2億1800万円です。営業利益も過去最高で前期比12.2%増の27億2600万円です。主軸の開発事業は賃貸マンションが9割で、1棟あたり平均50戸程度、販売価格は15億〜25億円です。
―売り上げ伸長の要因は何でしょうか。
まず、1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)の収益不動産の需要が国内外の投資家に手堅いという点があります。24年6月期には計画より61戸多く、712戸を販売することができました。さらに2月にM&Aを行い、子会社化したケーナイン(東京都世田谷区)の売り上げが入ってきたことも大きいです。同社は実需向けの分譲テラスハウスや戸建ての建築をメインにするデベロッパーですが、24年6月期は売上高27億円でした。
―今期の見込みは。
今期は年間通してケーナインの売り上げも加算され、ホテル事業も順調です。25年6月期の売り上げは320億円を計画しています。若手社員による仕入れが順調ですでに8件で決済や契約が完了しています。