北九州市で今期38戸目指す
分譲マンション・戸建て販売の大英産業(福岡県北九州市)は、戸建て賃貸住宅の開発・販売に注力している。2024年9月末までに引き渡し済みの戸建て賃貸は94戸。25年9月期は年間38戸の販売を目指す。
同社は事業領域の拡大を図り、20年に開設した街づくり事業部で戸建て賃貸事業を開始した。既存事業の住宅購入者に対し資産形成のサポートをすることと、新たな顧客層の開拓をすることが目的。主に北九州市内を対象に戸建て賃貸を開発しており、26年内には熊本市近郊にエリアを拡大する計画。
同社が土地を購入し、自社ブランドの戸建て賃貸「SUN LAPRO(サンラプロ)」を建築。セミナーなどで購入希望者を集客し、販売する。1戸あたりの敷地面積は平均100㎡。2階建て3LDKの延べ床面積約70㎡で、2台分の駐車場付きが基本的な規格だ。同一敷地内に3、4戸を開発し、まとめて販売する。平均販売価格は1戸あたり約2500万円。表面利回りは6~6.5%だという。引き渡し後の管理や仲介は大手管理会社が行ってきたが、一部の管理は、自社グループ企業で分譲マンション管理事業を手がける大英リビングサポート(同)が受託している。
自社ブランドの戸建て賃貸SUN LAPROの住戸内
同社は「元気な街、心豊かな暮らし」を経営理念に掲げ、10カ年の経営戦略を策定。街づくり事業部を含め、住まいと暮らしに関わる多様な事業を展開し、新規事業にも着手している。戸建て賃貸事業は、既存事業で入手する年間7000件の土地情報や、建材と住宅設備の仕入れなどスケールメリットを生かす新規事業として創出した。
森山聖街づくり事業部長は「戸建て賃貸事業を通じ、顧客の抱えている資産運用ニーズに応えることで、当社が建築や再生を手がけた収益不動産を販売することもできた。今後も資産運用と不動産活用の両面で事業の広がりに可能性を感じている」と語る。2月1日には、北九州市内で新築戸建て賃貸投資セミナーを開催する。
九州と山口県を事業エリアとする同社の24年9月期決算は、売上高が約370億円。分譲マンション11棟515戸を完工、戸建て住宅事業では新築分譲で489戸、中古販売で226戸、土地分譲で189区画の販売実績だった。
(2025年1月6日29面に掲載)