タイパ時代、分業化で速度勝負
AIや自動化で追客を強化
「賃貸仲介件数ランキング2025」には全国の不動産会社400社が顔を並べた。1位は大東建託グループが堅持。ハウスメイトグループは順位を一つ上げ2位につけたものの、東建コーポレーション、タウンハウジングとの三つどもえとなった。8位のジェイ・エス・ビーは3万件を突破。7位のスターツグループに迫る。
賃貸仲介ビジネスが転機を迎えている。トップ10のうち、前回のランキングで仲介件数が増加したのは4社だったが、今回は3社に減少。大手が成約の獲得に苦しむ姿が見える。
仲介の現場では、効率的な体制づくりに各社、力を注ぐ。ポータルサイトや自社ホームページからの反響への対応に専任者を置く動きが拡大する。「タイパ」重視の顧客に対し、「分業化」で対応を迅速化して機会損失を予防。追客はAI(人工知能)や自動化サービスでフォロー。営業スタッフの余力を残し「接客」で確実に成約するという型ができつつある。ただ、技術の進歩は圧倒的速さだ。AIによるチャット接客など、人の仕事を代替する業務も増えていくだろう。賃貸仲介における人の役割は常に見直しが必要になりそうだ。
(2025年1月6日1面に掲載)