全国賃貸住宅新聞が運営するオンラインメディア「賃貸トレンド」で隔月に配信する生番組「賃貸トレンドニュース」からゲストトークの一部をお届けします。 |
定例セミナー年間6回開催
オーナーの高齢化に伴い、相続に立ち合う管理会社が増えている。ありき(岡山県津山市)でも、後継者が県外の事業者を通じて管理物件を売却するケースが増加した。これを受け、10年前からオーナーの相続支援を開始した。西本昇一統括店長に当時の課題や相続支援コンサルタント資格、地域管理会社が相続支援を始めるべき理由について聞いた。
ありき 岡山県津山市 西本昇一統括店長(44)
地域管理会社の相続支援
ー相続事業開始のきっかけは。
オーナーの高齢化が主な要因だ。個人オーナー173人のうち、60歳以上が100人と高齢者率は約58%に達する。これは高齢化率の全国平均29%、津山市の平均31%と比較しても約2倍となっている。また、日常業務で相続関連の問題が多発したことも影響している。遠方に住むオーナーの後継者とは、物理的な距離から賃貸管理会社として関係性を構築できず、次世代と物件管理の継続ができないこともあった。物件管理を継続するか、売却するにしても、オーナーと次世代が納得できる相続支援をする必要がある。公益財団法人日本賃貸住宅管理協会(東京都千代田区)が2010年、相続支援コンサルタントの資格を創設した。当社は14年に3名が同資格を取得。現在、宅地建物取引士(宅建士)と賃貸不動産経営管理士(賃貸管理士)に続く、重要な資格となっている。
ー相続支援コンサルタントとは。
民間資格だが、相続支援に関する専門知識を習得することを目的とした資格だ。講習内容が充実しており、専門知識の習得に大きく寄与している。資格を取得するには、定期的な講習を受講し、試験に合格する必要がある。当社では毎年1人以上、資格を取得できているため、会社全体のスキルアップにつながっている。
ー現在の相続支援の体制は。
17年に全国相続サポートセンター(東京都港区)に加盟し、「岡山ありき相続サポートセンター津山」として活動を開始した。専任の相続支援部門は設置せず、社内プロジェクトとして運営している。社内には六つの事業部を設置し、「資産管理プロジェクト」が相続支援を担う。プロジェクトメンバーは、代表取締役、役員、各部門の責任者で構成。相続支援業務を優先度の高い事業として行っている。