Q.被保佐人は単独で建物賃貸借契約を締結できる?
A.3年以下であれば可能です。
2024年度試験の問4は、契約の基礎知識、賃貸借契約、賃借人破産、借地借家法における片面的効力規定といった分野が混在する問題でした。
被保佐人の問題は初出題です。
ただ、正答率は77%でしたので、必ず正解しなければならない問題だったといえます。
財産の得失を保護 精神上の障害理由
被保佐人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分であるとして家庭裁判所の審判を受けた者をいい、民法に定める一定の財産行為について保佐人の同意がなければ取り消せるようになっており、被保佐人を保護しています。(民法13条)
一定の財産行為には、「不動産そのほか重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること」や「新築、改築、増築または大修繕をすること」「民法602条に定める期間(建物賃貸借の場合は3年)を超える賃貸借をすること」などの10項目が定められています。
普通建物賃貸借 解約の特約は無効
借地借家法が適用される普通建物賃貸借の場合、期間満了の1年前から6カ月前までの間に相手方に対して更新拒絶の通知が必要で(借地借家法26条)、賃貸人側からの通知には正当事由が必要となります。(同法28条)
これら規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは無効となります。(同法30条)
したがって、「期間満了時に賃貸借契約を解約する旨」の特約を契約書に明記したとしても、その特約は無効となります。賃貸人側からの更新拒絶の通知や正当事由を不必要とする点で賃借人に不利な特約となるからです。
04年に改正される前の民法では、賃貸借の解除事由に破産が明記されていましたが(旧民法621条)、改正によりその条文は削除されました。
現行民法では破産による解約申し入れの規定が削除されているため、差し押さえや破産による解除の特約が無効となる可能性は高いでしょう。
その理由は、賃借人が破産したからといって、ただちに賃料について債務不履行に陥るとは限らないからです。





