戸建て賃貸の需要が堅調だ。集合住宅と比べて建築費が抑えられる点が訴求要素となり、地主オーナーからの受注を獲得している。
利回り10%維持、供給数2倍も
建築棟数1.4倍 平均入居率96%
土地活用を中心に戸建て賃貸の供給が進む。その背景に底堅い入居者の需要があるようだ。持ち家の感覚で住むことができ、物件によっては庭でアクティビティーを楽しめる。こういったメリットから入居者を獲得できているとの声が事業者から上がる。
戸建て賃貸住宅の建築フランチャイズチェーン(FC)事業を展開する洋館家本店(栃木県鹿沼市)は、自社建築における2025年3月期の建築棟数が前期比で40%増加した。建築棟数は100棟だった。
同社は、本社を構える栃木県、埼玉県、茨城県などで戸建て賃貸の建築を行っている。規格は60種類を用意し、いずれも間取りは2LDK~4LDK。
建築費用は1棟あたり1500万円ほど。提供先は余剰資金のある投資家、法人などだ。
家賃はエリアや広さにもよるが、8万5000~12万円が基本となる。入居者は20~40代の夫婦やファミリー世帯。福田功社長は「戸建て賃貸は、集合住宅よりも専有性が高く、他人と距離を取って暮らしたいと考える家族からの需要を獲得している」と話す。