好調な国内景気の陰で調整局面迎えた賃貸マーケット

【連載】アメリカ不動産事情 第58回 2019年米国賃貸市場の動向

投資|2019年04月01日

新規供給が過去25年で最も高く賃料崩れる可能性

 好調な国内景気の一方で、調整局面に入ったともいわれる米国の賃貸市場だが、最近注目されている西海岸の3大都市の現状を視察した。かつて一次産業が主体の地方都市がここ数十年でハイテク産業都市へと変貌し、新たな雇用を生み出すことで賃貸需要の急激な拡大につながっている。一方で急速な住宅価格や家賃の高騰で、不動産市場の弊害も浮き彫りとなっている。

労働力不足で建築費上昇か

 2019年は、堅調な国内消費と企業投資が継続するとみられる一方で、米中の貿易問題を発端とする不安要因を抱えており、関税の引き上げがインフレを呼び込み一般消費の減速につながる懸念もある。また労働力不足が続く中で3%を超える労賃の上昇圧力で建築費が高騰し住宅の新規着工数の減速につながる恐れもある。全米でも大型の商業開発案件が進むテキサス州だが、視察したダラス市とその周辺都市では建築ラッシュが続いている。ここでも建設労働者の不足が今後懸念される。

 今回視察した都市ではいずれも若い世代を多く見かけ、いずれも活気のある風景を行く先々で見かけた。最近のデータでは平均年齢が33~37歳とのことだが、これには全米平均所得を上回る給与が得られるハイテク産業への就業を目指し多くのミレニアル世代が全米の大都市から引っ越している実情がうかがえる。

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