広島県福山市の地場不動産会社タカハシ(広島県福山市)の2代目社長に、高橋建太氏が就いた。就任前から同社の管理戸数拡大に寄与。賃貸管理事業を主軸に会社を成長させてきた。今後もその方針は変えず、管理戸数1万戸を目指す
広島・福山市でシェア拡大へ
売上高約10億円 賃貸管理が50%
タカハシは、賃貸仲介中心の経営から賃貸管理に軸足を移し、管理戸数を拡大することで事業を伸ばしてきた。
福山市、尾道市、三原市を商圏に4400戸を管理(3月末時点)。2024年7月期の売上高は約10億円で、そのうち約50%を賃貸管理事業が占める。20%が賃貸仲介、10%が売買仲介、10%が液化石油(LP)ガス事業、残り10%がその他によるものだ。
管理を受託するオーナーは約420人で、95%が地主だという。1棟4戸もしくは8戸で、木造や軽量鉄骨造の物件をメインに管理する。
24年11月に就任した高橋社長の体制下でさらなる事業成長に挑む。同社は高橋社長の父である高橋大蔵会長が1979年に尾道市で創業。息子である高橋社長が40歳になり、青年会議所での活動を退くタイミングでの社長交代となった。
高橋社長は大学を卒業後、流通関係の会社に入社。その後、1年もたたないうちに家業である同社に入社することになった。
「大学時代に宅地建物取引士(宅建士)の資格は取得していたものの、家業に関わるつもりはなかった。タカハシで宅建士が1人退職してしまい、人員が足りないということで急きょ呼び戻された」と高橋社長は話す。当時はまだ賃貸管理や売買仲介で部門を分けていなかったが、まずは賃貸管理の現場で、物件の定期清掃業務からスタートしたという。
その後、賃貸仲介の営業を担当した際には、基幹店である尾道本店の店長を任された。2011年ごろには福山店に異動し店長となった。
当時は尾道本店と福山店の2店舗しかなく、売り上げの中心も賃貸仲介だった。しかし福山店は、賃貸仲介店としては集客しやすい立地ではなかった。そこで高橋社長が目を付けたのが賃貸管理だった。当時、同社の管理戸数は1000戸程度だったが、高橋社長が旗を振り、約15年かけて3000戸超増加。商圏のシェアを5%、尾道市では12%にまで高めた。
「賃貸管理がメイン事業になるターニングポイントだった」と高橋社長は当時を振り返る。