大阪民泊、万博後も需要堅調
matsuri technologies(マツリテクノロジーズ),REAH Technolo gies(リアテクノロジーズ),DRILL(ドリル)
その他|2025年11月08日
1室平均単価2万円も
大阪市内での民泊の需要が底堅い。大阪・関西万博(以下、大阪万博)の会期終了後も、訪日観光客を中心に、前年同月比と同水準の利用が続いている。大阪市内でも、観光ニーズの高い歓楽街エリアでは、1日あたりの平均客室単価が2万円を超える民泊運営代行会社も出てきている。
|
宿泊業における客室1室あたりの収益額。ADR(客室平均単価)×OCC(客室稼働率)で算出される。 |
インバウンドの反響獲得
11・12月予約順調 料金日割8500円めど
大阪万博の閉会後も大阪市内の民泊は利用者を安定して獲得していることが、事業者への取材で見えてきた。
民泊施設の運営・運営代行を手がけるmatsuri technologies(マツリテクノロジーズ:東京都新宿区)は、大阪万博後、一時的に需要が鈍化するタイミングがあったものの、2026年2月ごろまでの民泊の予約状況はおおむね堅調に推移するとみている。インバウンド(訪日外国人)による宿泊ニーズが手堅いという。
同社は民泊施設を大阪市内で約500室運営する。加えて、大阪市内での運営代行の受託数は、3500室以上に及ぶ。民泊の予約は半年ほど先まで受け付けている。
民泊の需要の高低は、宿泊施設で利用されるRevPAR(レブパー)という客室1室あたりの収益額を指標としている。RevPARはADR(客室平均単価)×OCC(客室稼働率)で算出される。
吉田圭汰社長は「大阪万博開催前の通常時期の水準で、RevPARが8500円に届く月は需要が高まっていると判断していた。会期が終了した今後も、8500円が一つの目安になるだろう」と話す。
大阪万博の開催直後である、25年4~5月ごろのRevPARは、4月が約1万1500円、5月が約1万円だった。25年11月~26年2月ごろまでのRevPARは、前年同月とほぼ同水準の6500~7500円でおおむね推移している。26年1月は予約が鈍化するものの、これは、2月に中国の「春節」という大型連休があるためその直前の1月には需要が鈍ることによる。
予約者はほぼ観光客だ。インバウンドが8割、日本人が2割。外国人のうち、30%と最多を占めるのは中国人だという。予約1件あたりの平均宿泊日数は4泊。大阪市内で特に人気が高いのは、大阪メトロ御堂筋線梅田駅や、同なんば駅周辺だ。
「春先の行楽シーズンで宿泊需要が伸び、ホテルの単価が高まる。民泊はホテルよりも価格が落ち着いており、宿泊ニーズをつかみやすい。民泊の需要は、26年4月ごろまでは手堅く続くだろう」(吉田社長)




