eKYCサービスと連携
不動産取引時に契約者が本人情報を偽って契約し、賃貸住宅が犯罪拠点として使われるケースが散発的に発生している。契約リスクへの対応に加え、勤務先への在籍確認のための架電など、本人確認業務における課題は多い。そこでクレジットカード契約や銀行口座開設などの金融サービスを中心に利用が進んでいるのが、オンラインで本人確認手続きを完結するeKYCサービスだ。
不動産システム開発のイタンジ(東京都港区)は、eKYCサービスを提供するTRUSTDOCK(トラストドック:東京都中央区)と両社のサービスの機能連携を実施。2025年11月より、賃貸管理システム「ITANDI(イタンジ)賃貸管理」上で、入居者の本人確認時にeKYCサービスを利用できるようにした。
入居者が専用の電子申し込みアカウントにログイン後、TRUSTDOCKの画面で、顔写真の撮影と本人確認書類の券面の撮影を行う。その後、氏名や連絡先などを入力して申し込みを行うと、書類と写真の顔の一致率が管理会社側で把握できるという流れだ。本人確認の精度向上に加え、入居者の勤務先への在籍確認を省略できるようになる。
イタンジが賃貸管理会社を対象に、本人確認業務に関するアンケート(有効回答数85人)を実施したところ、5人に1人が不正申し込みのトラブルに遭遇していた。イタンジの永嶋章弘CEOによると「不動産会社のコンプライアンス(法令順守)の高まりもあり、本人確認業務の見直しへの課題は多い」という。
TRUSTDOCKの田崎十悟執行役員は「収益不動産販売会社や家賃債務保証会社での導入実績がある」と話す。その一方、中小企業が個社で取り組むにはコストや技術面において障壁が高い点も指摘。管理システムに組み込むことで利用を促進できると考える。
同機能はオプションサービスとして、初期費用30万円、本人確認1件あたり400円(いずれも税別)で提供する。
(2026年1月5日44面に掲載)




