【2025年10大ニュース】編集部が選ぶ2025年ニュースランキング
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ランキング|2025年12月25日
高齢者受け入れ急務
2025年に賃貸業界に大きな影響を与えたニュースをランキング形式で紹介する。まず注目すべき話題は、10月に施行された改正住宅セーフティネット(SN)法だ。今後、高齢者などの住宅確保要配慮者(以下、要配慮者)の受け皿として、賃貸住宅の役割が大きくなっていく。そのほかにも24年に引き続き、物価高騰による家賃上昇や、カスタマーハラスメント(カスハラ)対応に関する話題があがった。
BCP対策の意識高まる
1位 改正住宅SN法が施行
第1位は、要配慮者の賃貸住宅への入居を促進するための法律である、改正住宅セーフティネット法の施行だ。要配慮者の受け入れに伴うオーナーの不安解消や、要配慮者に対する見守りが付帯した賃貸住宅の整備に向けた各制度の運用が始まっている。
家賃の支払いに関する不安への対応策として10月1日から開始されたのが、認定家賃債務保証業者制度だ。要配慮者の家賃債務保証を積極的に行う事業者を国土交通省が認定することで、多くの要配慮者が家賃債務保証を使える状態を整備する。11月12日時点で3法人が認定済み、さらに認定申請中の法人もある。
孤独死発生時の契約解除や残置物処理のための制度整備も進む。改正法では、残置物処理が居住支援法人の業務に追加され、入居者の死亡時に自動的に契約が解除される終身建物賃貸借契約の手続きが簡素化された。そのほかに残置物処理・契約解除の問題解消のため国土交通省が推奨するのが、「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を活用した死後事務委任契約の締結だ。
要配慮者とオーナー双方の安心を目指し、入居者への見守りが付帯した居住サポート住宅の認定制度が開始された。同住宅には、ICT(情報通信技術)などによる安否確認、訪問などによる見守り、福祉サービスへのつなぎの3種類の支援の提供が義務付けられる。12月9日時点で、全国で61戸が認定されている。
要配慮者の入居のために不動産会社と福祉系団体、行政が協議を行う居住支援協議会を、市区町村に設置することが努力義務化されたのもポイントだ。今後は市区町村での居住支援協議会が増え、不動産会社と福祉系団体の協力関係の構築が期待される。
2位 家賃の値上げ傾向続く
昨今の物価高に対応し、25年に入っても前年に引き続き家賃の値上げが続いた。全国賃貸住宅新聞の独自調査によると、105社の回答企業のうち71.4%が家賃値上げを実施したことがわかった。一方で、家賃を上げられるエリアは限られているようだ。
家賃の値上げを行った企業の理由は、「近隣相場が上がった」「オーナーから相談を受けた」「市場全体で家賃値上げの機運が高まった」「管理運営コストが上がった」などだ。値上げの割合は、家賃の「3~5%未満」が42.7%と最多。平均額で見ると「1000~3000円未満」が46.7%と5割弱に上った。
エリア別に見ると、関東圏での値上げ実施が活発だった。「東京都」が36%、「東京都を除く関東」が20%となり、値上げを実施した企業75社のうち、関東圏が半数以上を占めた。
家賃値上げを実施しなかった企業を見ると、有効回答企業数105社のうち、「家賃ではなく、共益費や管理費を値上げした」の回答は2.9%、「今後も実施する予定なし」が12.4%だった。
「今後も実施する予定なし」を選んだ各社の理由の多くは「地域の近隣相場が上がっていない」「地域の空室率が高いため」などだった。26年は値上げに踏み切れないエリアを商圏とする不動産会社の成長戦略に注目したい。
3位 各地でカスハラ防止条例
東京都は、4月1日に「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」(以下、カスハラ条例)を全国に先駆けて施行。同時期に北海道や群馬県などで、10月には愛知県でカスハラ条例の施行が相次いだ。都のカスハラ条例ではカスハラの一律禁止を明記した。事業者に対して就業者の安全確保や顧客への適切な措置を講じることを努力義務とする。
カスハラ対応の動きは全国にも広がりそうだ。国は6月に改正労働施策総合推進法を公布。カスハラ防止のため、事業主が環境整備を行うことなどを努力義務としている。同法は27年前半までに施行される予定。公益財団法人日本賃貸住宅管理協会(東京都中央区)は、カスハラに関する条項を盛り込んだ管理受託契約書や賃貸借契約書の条文例を会員向けに発信する。
不動産会社でも24年から25年にかけて、カスハラ対応の基本方針を公表する動きが出てきている。併せて社内向けのマニュアル整備、社外に向けたカスハラ抑止のポスターの掲示を行う会社もある。全国賃貸住宅新聞の調査では、カスハラ対応の効果で考えられるものとして「離職率の抑制」の回答がトップにあがった。人材の確保・採用が課題となる中、カスハラ対策を社内外に周知・浸透させることは、人材確保にとってもプラスになるだろう。




