資金調達で急成長
建物の修繕工事における相見積もり取得やコンサルティングを手がけるスマート修繕の事業が急成長を遂げている。同社は1月に資金調達を実施。進行中案件の見積額は月間60億円を突破した。大規模修繕にとどまらず、エレベーター更新や内装リノベーションなど事業領域を拡大する。豊 田賢治郎社長は「業界に残る不透明な慣習を排除し、クリーンで公正な取引を当たり前にしたい」と話す。
見積もり取得から品質確認まで
公平、中立を重視 業界課題を解決
スマート修繕は建物共用部における修繕工事の相見積もり取得や比較選定、コンサルティングを行っている。対象物件はマンションやビルなどだ。工事会社探しから条件調整、契約手続き、工事品質のチェックまでを専門のコンサルタントが伴走し支援する。
工事の内容は外壁塗装や防水といった大規模修繕が全体の約6割を占める。エレベーター更新、インターホン刷新、給排水設備交換などの部分的な共用部修繕が約4割だ。管理会社が建物管理と修繕の手配をセットで担う従来のモデルとは異なり、修繕のコンサルティングに特化した独自のモデルを確立している。同社は、大規模修繕工事における公平性、中立性を重視する。豊田社長は「共用部修繕業界には、設計会社と工事会社の間でやりとりされるバックマージンや多重下請け構造、事前談合などの不透明な慣習が長年存在している。当社は施工会社とのネットワークを直接構築しており、元請け実績や財務健全性を審査し、一定の基準を満たした優良事業者のみと提携。多重下請けを回避し、競争原理が働く状況づくりを行うことでコスト削減を実現し、健全な施工環境を確保している」と話す。
社内の運営体制においては、プロジェクト管理と見積もり分析を別チームにし、現場担当のコンサルタントが自ら価格や見積もりの操作を行えないようにした。提携施工会社から提出された見積もりデータは専門の分析チームが精査・判定するため、担当者の忖度(そんたく)や不正が入り込まない仕組みになっているという。「クリーンな事業運営こそが他社に対する競争優位性につながる」
月間見積60億円 前年から倍増
同社の成長スピードは加速している。重要指標として管理する進行中案件の見積額は、2026年6月に月間60億円を突破した。前年同月の約30億円から倍増する伸びだ。
案件の平均工事費は数千万円。数億円規模の大型工事から数百万円規模のインターホン交換工事まで幅広く対応している。





