収益不動産価格の上昇が止まらない。収益不動産ポータルサイト「楽待」を運営するファーストロジック(東京都中央区)によると2022年7~9月期における1棟アパートの掲載物件の平均価格は、7501万円だった。12年の調査開始以来、最高値を記録した。21年7~9月期比で11.4%上昇した。1棟マンションは1億9549万円で、3.8%の上昇。
1棟アパート、1年で11%高も
楽待は、掲載不動産会社数4500社、掲載物件数約5万1000件。
ファーストロジック広報担当の尾藤ゆかり氏は「資材高の影響もあり、コストを上乗せした金額で再販物件を掲載すると、投資家の目線と合わないため、自社の利益を削っているという不動産会社の声も上がっている」と話す。
同じく、収益不動産のポータルサイト「健美家」を運営する健美家(東京都千代田区)でも掲載物件の価格は高くなっている。22年7~9月期における1棟アパートの価格は7668万円と21年7~9月期比で上昇率は8.3%。1棟マンションは1億6761万円で、1.3%の上昇。
健美家は出稿不動産会社数960社、掲載物件数は4万5000件超(10月25日時点)
健美家の倉内敬一社長は「投資家側の需要の裾野が広がっている。これまでのサラリーマン投資家に加えて、富裕層による取得や、物件を相続した家主が資産の組み換えで都内の物件を取得するといった動きが増えてきた印象」と語る。
資産家は金融機関の融資が受けやすい状況であるため、不動産会社は顧客のターゲットを再設定し、富裕層向けの販売や仲介を進めていくことも必要になるのではと見る。
(2022年11月14日1面に掲載)