住生活に関わる悩みの相談場所の提供を目的としたボランタリーチェーンを展開するJKAS(ジェイカス:大阪市)は2022年8月より、「空地空家で〝困ったとき〟のあなたの街の相談窓口」を運営している。加盟店のうち空き家対策に強みを持つ不動産会社が窓口として相談を受け、加盟店のネットワークを生かして解体から売買、賃貸、登記までをサポートする。
多業種のネットワーク生かす
JKASに加盟するのは不動産会社を中心に工務店、弁護士・司法書士といった士業法人など。23年4月21日時点の加盟店は全国に約70店。JKASが企画・集客する相続や空き家関連の相談会への参加や加盟店同士の事例共有、士業法人とつながりを持てることが加盟のメリットとなる。
20年5月に住宅ローンの返済に関する相談を受け付ける相談窓口業務を開始して以来、加盟店の得意分野を取り入れて相談窓口の種類を増やしている。空き家・空き地に関する相談窓口の設立は、大学院で空き家問題を研究した森下政人氏が社長を務めるリーフクリエーション(兵庫県神戸市)の加盟がきっかけだ。
JKAS加盟店のアットホーム(三重県伊勢市)は22年4月、伊勢市辻久留の築70年の空き家を買い取り室内をリフォーム。敷地と道路の間に車が通ることができる幅の道がなく、大手不動産会社に仲介を断られた物件だったが、地場のつながりを生かし隣の土地を買い取ることで、駐車場付きの賃貸住宅として再生した。現在は単身赴任者が入居する。
JKASの西上正通社長は「加盟店は従業員5人以下の街の不動産会社がほとんど。思いや理念を共有しながら、加盟店主体で空き家含む住生活の悩み全般を解決したい」と語る。
JKAS
大阪市
西上正通社長(50)
(2023年6月19日13面に掲載)