無印良品(東京都豊島区)が初めて賃貸住宅のリノベーションを手掛ける。独立行政法人都市再生機構西日本支社(UR西日本 大阪府大阪市)と、無印良品を展開する良品計画の子会社ムジ・ネット(東京都豊島区)は、団地リノベーション企画「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」を発足した。
プロジェクトを実施する物件は昭和40年代から50年代に供給された「新千里西町」(豊中市、534戸)、「泉北茶山台二丁」(堺市、1225戸)、「リバーサイドしろきた」(大阪市、859戸)の3団地。
リノベーションで重視するのは「どこまで壊すか」「何を足すか」「どう足すか」の3点。秋以降に5プランの実現を目指す。躯体(くたい)だけを残して造り直すと思われがちなリノベーションだが、使えるものは残し使うという方針で、壊す部位を見定める。また、施工で新たな設備を足すのか、入居者にゆだねるのかも検討するという。
無印良品で展開しているシェルフやキッチン、テーブルなどといった住宅設備を入居者が設置することで、空間を区切ったりスペースをうまく活用したりできるようなプランを検討中だ。プランができれば公開し、意見を公募、修正などを加えて最終的なプランを決める。
無印良品は無駄を省いた合理的なデザインが特徴で、衣料品や家庭用品、食品などの日常商品を開発。2003年には無印良品の家の開発をスタートさせた。「手入れをしながら永く使う」という発想のもと、今後もリノベーションに意欲的に取り組むという。