不動産鑑定事務所東京アプレイザル(東京都新宿区)は、「TAP実務家クラブ第47回定例会」を5日に行った。テーマは「地主の不動産会社社長による事業承継という名の経営権争いの実話~前代表の独裁政権・文化を覆す」。講師は芝田久右衛門(兵庫県伊丹市)の芝田泰明社長だ。会には約30人が参加し、壮絶な相続体験に驚いていた。
定例セミナーで講演
講演では、前半に経営再建の取り組み実績として、事業承継という名の同族間経営権争いについて話し、後半に前社長である叔父との対決で100%株主となるまでの4年間の軌跡を話した。
兵庫県の地主の長男として生まれた芝田社長は大学卒業後、零細企業から大企業、そして同族企業に至るまで合計6社に所属。2012年父親の急死により、最大8店舗、従業員数170人を擁する不動産業および、書店・レンタルビデオ・ネットカフェを経営する同族グループ会社の代表として債務超過に陥っていた同社グループの経営再建を行うことになる。その結果、小売業・サービス業からの撤退を決断し、不動産賃貸・管理業に経営資源を集中。また将来敵対することになる創業者であり前代表の叔父が意図的に同族中に分散させていた株式を回収し100%株主となることにより、同社グループの建て直しに成功。現在に至る話を熱く語った。
「相続で大変な経験されたことがとても役に立った」「相続で争った結果、親族とはどのような関係になったのか」などという参加者から感想や質問の声が上がった。
なお、TAP実務家クラブは「交流」「実践」「向上」という三つの柱を軸としている会員制のクラブ。主に税理士、弁護士、司法書士、不動産会社等の不動産、相続、税務に関連する業務の従事者が会員。次回は東証の新しいTOKYO PRO Market(TPM)についてのセミナーを行う。