賃貸物件やホテルなどのリノベーションを手掛けるエイムズ(東京都中央区)は、築22年の単身者向けマンションの一室を約750万でリノベーションした。完成は10月20日。元々17万円だった賃料は24万円にアップし、利回りは12%になった。周辺の家賃相場は単身者向け物件で16万~17万円ほど。それよりも7万~8万円ほど高かったが、入居者は工事中の10月初頭に決まった。
賃料は7万円増の24万円に
今回の物件は、東京メトロ日比谷線「恵比寿」駅から徒歩3分にある14階建て鉄筋コンクリート造のマンションの8階にある一室。入居者の引っ越しを機に、家賃アップを目的にリノベーションに踏み切った。広さは41㎡だが、元々三角形のような特殊な間取りであったことと、サニタリースペースが居住スペースに食い込む形で設置されていたことから、居住スペースが手狭になっていた。サニタリースペースを洗濯機置き場と共に設計し直し、玄関横に移したことで居住スペースをより広く確保することに成功した。元々玄関横に壁付けされていたキッチンはアイランド型のものに変えた。間取り的には居住スペース内になるが、以前のサニタリースペースのような仕切りがない分、圧迫感は軽減される。
「オーナーのアイデアで、入居者を30代後半~40代前半の個人事業主、もしくは経営者などの男性を想定した」と松島力社長は話す。ビジネス上の来客も招待しやすいように、内装は白やグレーなどの落ち着いた色合いの塗装やタイルを使用した。
居住スペースの床にはビンテージ風の白い木材の柄のタイルを使用した。部屋の形に沿うようにタイルを斜めに張ることで、特殊な部屋の間取りを生かすと同時にデザイン性を高めることに成功した。壁も落ち着いた印象を与えるように、白に微量のグレーを混ぜて塗装することで、単なる白色の壁よりも彩度を落とした。またアイランド型キッチンには『MORTEX(モールテックス)』という左官材で仕上げた。ベタ塗り感が抑えられ、意匠性に優れるという。
実際に入居を決めたのは20代後半の男性経営者。「キッチンに使われているタイルが他の賃貸物件にはなく、気に入った」と、入居に至ったという。
エイムズ
東京都中央区
松島力社長(41)
(11月23・30日13面に掲載)
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