更新料に初の差止請求訴訟

消費者機構日本、三井ホームエステート

法律・制度改正|2010年09月13日

  • twitter

日本で初めて更新料が差止請求の対象となった。消費者機構日本(東京都千代田区)は、9月6日、三井ホームエステート(東京都千代田区)に対し、賃貸借契約事項の差し止め請求訴訟を東京地方裁判所に提起した。差止請求をした契約事項の内容は次の通り。
1、壁・天井・床、鍵の修繕費用の全部または一部を賃借人が負担
2、賃借人が破産、もしくは民事再生手続申立があれば、契約の解除、更新拒絶ができる
3、退去時の経年劣化・自然損耗の原状回復費は基本クリーニング代を含め賃借人が負担
4、契約更新時には賃借人が賃貸人に更新料を支払う
5、賃借人が明け渡しを遅滞した場合、損害額と遅滞した日数分の賃料の倍額を支払う
 
同機構は2007年に消費者契約法に基づいて認定された適格消費者団体。情報の提供を受け、2年前から三井ホームエステートの契約内容を調査していた。2008年10月、賃貸借契約書の条項に消費者契約法に反する条項があるとして契約事項1~3について裁判外申し入れを行ったところ、同年12月、同社からはおおむね受け入れるとして2009年4月ごろには契約内容を見直す旨の回答を得た。
 
これを受け、同機構では同社に対して合意書締結の申し入れを2009年7月10日、10月29日に行ったが、今年4月、同社からは合意書締結ができない、改定賃貸借契約書の使用時期のめどが立たないとの回答を受けたという。
 
三井ホームエステート側が具体的な改善内容・時期を明示しないという理由で、同機構は今年8月24日、差し止め事項4、5を追加し、消費者契約法41条に定める書面をもって、差止請求を提出した。
 
8月31日付けで、三井ホームエステートは、契約事項1、2、3については是正、4、5については是正しない旨の回答書を提出。ただし、差止事項3においては「基本クリーニング代を賃借人が半額負担する」とし、是正しないとの方針を示したという。
 
同機構は、最初の申し入れから1年8カ月が経過し、三井ホームエステート側から改善された契約書などの提出がなく、変更が実施されたかも判明しないとし、差止請求を提起するに至った。

検索

アクセスランキング

  1. 省エネ性能ラベル表示、開始

    国土交通省,リクルート,アットホーム,LIFULL(ライフル),大東建託グループ,積水ハウスグループ

  2. コロンビア・ワークス、「総資産1兆円へ」開発を加速【上場インタビュー】

    コロンビア・ワークス

  3. 大手不動産会社で入社式

    レオパレス21,大東建託グループ,ハウスメイトパートナーズ,APAMAN(アパマン),常口アトム,武蔵コーポレーション,TAKUTO(タクト),三好不動産

  4. 明和地所、創業45年 浦安市で3000戸管理【新社長インタビュー】

    明和地所

  5. リース 中道康徳社長 家賃債務保証システムで成長

    【企業研究vol.244】リース

電子版のコンテンツ

サービス

発行物&メディア

  • 賃貸不動産業界の専門紙&ニュースポータル

  • 不動産所有者の経営に役立つ月刊専門誌

  • 家主と賃貸不動産業界のためのセミナー&展示会

  • 賃貸経営に役立つ商材紹介とライブインタビュー

  • 賃貸管理会社が家主に配る、コミュニケーション月刊紙

  • 賃貸不動産市場を数字で読み解く、データ&解説集

  • RSS
  • twitter

ページトッップ