収入を増やしたいのか、土地を守りたいのか、家主業の承継に一般的な意味での"正解"はない。受け継いだ方が、先代のやり方を踏襲して土地を守るのか、攻めの姿勢でさらに発展させるのかも自由だ。前回と同様に実際に事業を承継し、成功を収めているケースを紹介する。
スムーズに承継する7つのポイントを公開
子に経営の基礎を学ばせる お互い意志を確認しながら承継
「陸上競技のリレーにだってバトンをパスするためのテーク・オーバー・ゾーンがあるのだから、事業承継にも同じようにゆとりを持たせた計画が必要だ」。こう話すのは大橋正紀オーナー(浜松市)。浜松市で経営する築41年と39年の2棟計40戸のRC造マンションは、父から1982年に受け継いだものだ。相続したのは28歳のとき。この相続は冒頭の言葉とは裏腹の不測の事態によるものだった。父が56歳で急死したためだ。