仲介・管理会社ノート 仲介編⑤

メイクグループ, 中村不動産開発

企業|2021年10月05日

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 「仲介会社ノート」では、不動産会社の賃貸仲介事情をひもとく。年間の賃貸仲介件数、仲介の売り上げ、成約率などのデータや、賃貸仲介に注力する各社の取り組みを紹介。今号では2社を取材した。

メイクグループ、要配慮者の部屋探しに注力

1都3県で年間825件の成約

 1都3県で年間825件の賃貸仲介を行うメイクグループ(東京都新宿区)は、住宅確保要配慮者(以下、要配慮者)の部屋探しに注力することで、他社と差別化を図っている。1万6500戸を超える管理物件の入居者の約9割を要配慮者が占めている。新規で管理受託した物件を平均2カ月で満室にするリーシング力を強みに、管理戸数を拡大。管理戸数は2017年から7000戸増やし、現在1万6500戸となっている。

 会社全体の年間売上高は32億円。事業構成比は、1位が賃貸管理で40%。次いでリフォームが25%、賃貸仲介が18%だ。賃貸仲介の売り上げは年間5億7600万円。

 賃貸仲介はグループのエース・リアルエステート(東京都足立区)で行っており、営業担当は全15人。都内の足立区、新宿区、神奈川県横浜市の計3拠点で部屋探しの相談を受け付けている。仲介手数料は家賃の1カ月分で、平均賃料は5万3700円。AD(広告料)などを含む成約単価は平均11万2770円となっている。

 管理物件は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県に分布。入居者の約9割を占める要配慮者の内訳は、高齢者が60%、精神疾患患者が20%。そのほかが、車いすの身体障害者や、知的障害者らとなる。

 顧客の流入は、ポータルサイトと自社ホームページで50%、行政の窓口からの紹介で50%。ポータルサイトには、物件名に「生活保護住宅」と記載することで、閲覧する要配慮者が問い合わせしやすいように配慮している。「SUUMO(スーモ)」と「アットホーム」を使用し、それぞれ月20件を常時掲載する。

 行政の窓口には自社で制作した居住支援の情報を記したパンフレットを設置。要配慮者に同社の取り組みを周知することにつながり、賃貸仲介件数は居住支援法人に指定された18年以前よりも約1.7倍に増えている。 また、「ツイッター」、「フェイスブック」、「ユーチューブ」を運用し、SNSを通じて自社の認知拡大を図っている。こうしたSNSでは、居住支援の仕組みや、入居者募集を行う高齢者向けシェアハウスの周知といった、ターゲットとする要配慮者に役立つ情報を発信している。

 来店客の大半は、他社では取り合ってもらいにくい要配慮者だ。同社では、来店した顧客に対して賃貸住宅での生活が可能かヒアリングを行う。管理物件への入居が難しいと同社で判断した場合は、介護施設やグループホームを紹介する。こうした顧客は来店客の約半数を占めており、来店成約率は50%となっている。

 石原幸一会長は「コロナ下では、低所得者層からの問い合わせが多く寄せられるようになり、要配慮者の賃貸仲介が前年比で10%増えている」と語る。

メイクグループ 石原幸一会長の写真

メイクグループ
東京都新宿区
石原幸一会長(55)

 

 

中村不動産開発、管理物件の仲介が9割

震災後、入居率94%まで上昇

 熊本県の宇土市と宇城市を中心に年間340件の賃貸仲介を行う中村不動産開発(熊本県宇土市)は、反響に対し「LINE」を使った追客対応を行い、アパートが飽和状態となっている商圏で入居率94%を実現。顧客にとって身近なツールを使用することは、反響からの来店に寄与する施策の一つになっている。

 売上高と事業構成比は非公開。同社では、賃貸仲介・管理、売買仲介、建築、リフォーム事業を展開している。

中村不動産開発の会社情報まとめ

 宇土市と宇城市で仲介店舗を1店舗ずつ展開しており、全社員16人のうち5人が賃貸仲介業務に従事。賃貸仲介の実績は、自社管理物件が9割で、残りは他社管理物件の一般媒介だ。

 全1200戸の管理物件は宇土市、宇城市、熊本市南区に点在。管理物件の家賃相場は、単身向け40㎡前後の1LDKや2DKで4万5000円ほど。ファミリー向け50~60㎡の2LDK以上で5万5000~6万円となる。ファミリー向けを7割、単身向けを3割で管理している。

 入居者層は、正社員、非正規雇用者、外国人労働者、生活保護受給者などさまざま。5%を法人契約が占める。コロナ下では賃貸仲介件数が例年より10%ほど落ち込んでおり、理由としては県外からの法人が減少していることが考えられる。

 仲介営業担当者1人あたりの賃貸仲介契約数は、平均で年間68件だ。繁忙期は月間20件弱、閑散期は6~7件となる。仲介手数料は家賃の1カ月分で、成約単価は平均5万円だ。地域の慣習もあって、AD(広告費)はほぼもらっていない。ただ、2年ほど前から、大手デベロッパーが建てた物件のオーナーの中には、ADを支払う人が現れ始めてきているようだ。「19年ごろからは、震災後のみなし仮設に住んでいた人たちが持ち家に住み替える動きが目立つようになった。土地活用による賃貸住宅の供給過多が続く中、家賃1カ月分のADを出して空室を埋めようとするオーナーもいるが、ADの習慣に理解を示すオーナーはまだ少ないのが現状だ」と中木主任は語る。

中村不動産開発の外観写真

中村不動産開発の外観

 顧客の流入経路は、ポータルサイトが40%、自社サイトが20%、紹介や飛び込みが40%だ。自社サイトからの集客に力を入れており、ユーザーがGoogle検索した場合、エリア限定で上位表示されるように広告費用をかけている。問い合わせ来店率は20%。

 反響対応は、メールでのやりとりだけでなく、LINEを使って初期費用の見積もりを送るなど、顧客にとって身近なツールを使った追客方法を採用している。LINEはチャット形式でテンポよくやりとりができるため、顧客の返信率を高めて来店につなげる狙いもある。「近年は来店する前にインターネットで物件を絞り込み、内見だけ行う顧客も多い。ただ、店舗に来ず内見だけを希望する顧客の成約率は20%と低いため、物件提案で成約率を上げるためにも来店につなげることが大切だ」と中木主任は語る。

 また、ポータルサイトは月間100戸の物件を常時掲載できるようにしている。割合は、管理物件が7割、他社の管理物件が3割となる。他社の管理物件に関しては、築浅などの集客効果が見込める物件を掲載する。顧客が来店した際に、物件に求める条件やニーズのヒアリングを行ったうえで管理物件も合わせて紹介する。オーナーの物件を優先してリーシングしながら管理物件の入居率向上を図ることで、入居率は約3年前の91%から現在3%上昇している。

(10月4日11面に掲載)

おすすめ記事▶『仲介・管理会社ノート 仲介編④ ~後編~』

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