全国の管理会社に聞いた! 高齢入居者の受け入れ どうしてる?

管理・仲介業|2024年04月19日

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 超高齢化社会において、賃貸住宅への入居を希望する高齢者は少なくありません。とは言え高齢入居者は、孤独死や家賃未納などリスクが高いことも事実です。高齢入居者の受け入れ状況や、入居後の体制などについて、全国の賃貸管理会社に取材しました。

 

 

 

 

 

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 今回は、全国7社の管理会社を取材しました。規模が一番小さな企業が関東のC社で管理戸数4000戸、大きな企業は九州のG社で25000戸です。いずれも地場では比較的大きい管理会社になります。

§1 管理会社に聞いた 65歳以上の入居者の割合は?

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 最初に「65歳以上の入居者の割合」を聞いたところ、おおむね5〜20%弱でした。D社とG社は入居者の5%、6%強と正確に把握されていたため、入居者管理が行き届いている印象を受けました。


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 次に「管理物件に占める『高齢者入居可』物件の割合」を聞きました。オーナーが高齢者入居を承認している物件の割合です。際立っていたのはF社で、9割の物件で高齢者入居が可能でした。F社は高齢者の入居リスクも含め、しっかりオーナーに説明ができているようで、管理会社としての実力がうかがえました。

240419_004.jpg  「高齢入居者を受け入れる際、審査内容に違いがあるか」という質問においては、オーナーの意向を確認する企業が2社、他は一般の入居者とほぼ同じとのことでした。

§2 高齢入居者受け入れ時の条件

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 続いて「高齢入居者の受け入れ条件」について、主に二つの項目に着目して聞いてみました。一つは見守りサービスの契約です。見守りサービスは、通常の原状回復工事の費用では賄えない特殊清掃の費用まで補填できるサービスなどをパッケージ化したものが、月額1000〜3000円ほどで提供されています。管理会社としては、そうしたサービスへの加入を入居条件にしたいようですが、高齢入居者が必ず受け入れるわけではなく、推奨レベルにとどまっている会社が多いようでした。

 もう一つは、「緊急連絡あるいは連帯保証」について。多くの管理会社が連帯保証人まで賃貸契約することを求めています。基本的に連帯保証人が相続人になりますが、それが難しい場合は、身内などが同じ県内に住んでいるという条件で設定している会社が多かったです。

 見守りサービスの中でも特徴的だったのが、C社の新聞受け取りサービスです。これは、管理会社と新聞の販売店が提携したサービスです。毎朝の新聞配達の際、ポストに新聞がたまっていたら、新聞配達員が声掛けをしてサポートするというもので、対人による安否確認にもなるため、このサービスの契約を推奨しているとのことでした。

§3 年間の孤独死発生件数は

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 「年間の孤独死発生件数」を聞いたところ、各社、一定数の孤独死が発生していました。いずれの会社も共通していたのが、孤独死は高齢者に限った話ではないということ。むしろ若い人の場合、家賃が通常通り支払われていると部屋で亡くなっていることに気付かれないことが多いようです。

240419_006.jpg  「高齢入居可能な居室に特別な設備を設置しているか」といった質問では、意外にもセンサーを付けているのはG社のみ。検討中の企業が1社、ほかは安否確認コールでした。当社が主催する「賃貸住宅フェア」ではここ数年、高齢者の入居が可能な物件向けのセンサーや見守りサービスの出展が増えています。しかし、実際に管理会社が設置するには、まだハードルが高い印象を受けました。

240419_007.jpg  次に「残置物撤去に関する入居者との取り決め」について聞きました。亡くなった入居者の残置物は本来、相続人の所有物になりますが、その相続人が見つからない、もしくはすでに亡くなられているケースも多いです。残置物の処分をオーナーに委任したり、所有権の放棄に協力するといった承諾書を、緊急連絡先の人と事前に交わしたり、2年ごとの契約更新の際に緊急連絡先の情報更新も必ず行ったり、連帯保証人への委任条項を賃貸借契約書に記載したりするなど、各社なるべく早く残置物の処理ができるよう対策を考えていました。

§4 【注目企業】明和不動産管理が徹底する高齢者入居時の3つの工夫

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 さて、ここからは今回の取材で注目した企業の事例を紹介します。これまでG社として紹介してきた熊本市の明和不動産管理の事例です。

 明和不動産管理は、独自の高齢者対応を行っています。

 まず高齢入居者を、61歳以上で独居の人、独居ではない人、また65歳以上で独居している人の三つに分けて管理します。その上で独居している人は、有職者である親族を連帯保証人として設定し、保証会社との契約まで行ってもらっています。ただし連帯保証人に相続人になってもらえない場合は、親族で設定しているとのことでした。65歳以上で独居の入居者については、アラート通知ができるスマートメーターに連動したセンサーを設置するよう推奨しており、この春から導入しました。

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 さらにもうつ、国土交通省による「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を活用し、賃貸借契約書の中に、入居者が亡くなられた後、連帯保証人(相続人)に解約や残置物の処分を委任するという条文を記載しています。

§5 【まとめ】家主が高齢者に貸しやすくなる法案が閣議決定

単身高齢者の住宅問題は国も問題視しています。所得の低い単身高齢者らが住宅を借りやすくするため、2024年3月に、今の通常国会で住宅セーフティネット法や高齢者住まい法などの改正案が閣議決定されました。 

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