管理会社は、頻発する豪雨や落雷、地震といった自然災害への対応を余儀なくされている。明和不動産管理(熊本市)では災害発生時の物件確認フローを作成。自社の工事部社員が対応し安心感を与えるオクスト(茨城県古河市)や入居者から殺到する問い合わせの受け付けを分散したのうか不動産(石川県金沢市)のような取り組みもある。
災害時、対応優先順位付け重要
1戸原復に200万円 水災特約推奨へ
2万7000戸を管理する明和不動産(熊本市)グループの明和不動産管理では、整備してきた物件の被害確認フローを自然災害時の対応に生かす。
同社は8月10日夜中から明朝にかけてに熊本県で発生した豪雨で管理物件が被害を受けた。豪雨により、入居者からの問い合わせは同月11日に151件、12日に131件に上った。11日の午前中に、明和不動産管理の建物管理部と同社が業務委託しているコールセンターで協議。床上浸水や断水、停電といった緊急性が高い問い合わせは、優先的に明和不動産管理や協力事業者につなぐことにした。エレベーターやインターネットの不調などはコールセンターで状況のヒアリングを行うよう分担した。
同社の管理物件では、住戸18棟33戸、テナント12戸で床上浸水の被害が発生した。住めない状態の住戸の入居者には避難所やホテルを案内。床上浸水した住戸は、まず入居者に簡易排水や拭き取りを行ってもらい、それが難しい場合に同社管理部の社員が吸水シートやくみ上げポンプで水を除去した。その後12日から順次工事事業者を呼び、原状回復を行った。基礎部分まで水が染み込み、ワンルームの原状回復に200万円かかったケースもあったという。浸水被害は火災保険に水災特約を付けていないと保険金が下りない。同社では改めてオーナーに特約を勧める方針だ。
物件の被害状況の確認は、同社と物件に近い明和不動産の賃貸営業店舗が協力して行った。基幹システムから物件情報を出力。被害状況確認用の「グーグルスプレッドシート」を作成して全社で共有した。明和不動産管理の社員だけでなく、普段は仲介営業を行っている社員が現場に行き、被害状況をグーグルスプレッドシートに入力。1階に空室があるなど、浸水被害が見落とされている可能性がある物件に関しては9月3日までに確認を完了することができた。




