「地域への恩返し」目指す
6600戸を管理する西田コーポレーション(神奈川県厚木市)は、訪問介護事業を展開している。7月からサービス提供を開始し、10月10日時点で33人の利用者を抱える。福祉関連事業を通して地域に貢献しながら、将来的には賃貸管理事業や売買事業とのシナジー効果創出も狙う考えだ。
同社の訪問介護サービスは、移動や更衣、排せつなどの介助を行う身体介護と、調理や掃除、洗濯、買い物代行といった生活支援の2種類がある。利用者のサービス利用頻度は、週に1回から4回と幅広い。
2024年4月に、訪問介護事業開始のために介護事業のコンサルティング会社を入れて準備を始めた。25年1月には、厚木市で訪問介護事業からの撤退を検討していた企業との間で事業譲受を実施。社員3人を雇用し、利用者21人を引き受けた。社員3人は、いずれも訪問介護の職歴が10年ほどあるベテランだ。稲毛信洋取締役は「雇用にあたっては、人柄を重視した。万が一利用者に危害を加えるような人を採用したら、地域貢献のために始めた事業の意味がなくなってしまう」と話す。
訪問介護事業は、3人を含む7人で運営している。構成は、介護福祉士の資格を持つスタッフが4人、サービス提供責任者が1人、サービス提供責任者補佐が2人。うち1人は介護保険の保険金申請などができる教育係として新規で採用した。1人は高齢者が好きだという同社の社員が事業の責任者として異動している。
オーナーへの周知は、入金明細へのチラシの同封や直接訪問で行ったという。稲毛取締役は「『自分も介護が必要になったら西田コーポレーションにお願いしたい』という声を多くいただくなど、反響は大きかった」と語る。
訪問介護サービスを利用する場合、地域包括支援センターを通して決めるため、同社が直接オーナーから利用申請を受け付けることはできない。しかし今後、オーナーが地域包括支援センターで同社のサービスを受けたい旨を伝えることは考えられる。
訪問介護事業開始の目的は、地域貢献にある。地域の高齢者で、介護が必要になっても自宅で過ごしたいと考える人たちを支援することを目指す。「当社は地域に育んでもらってここまで成長した。西田光孝社長も私も、地域への恩返しをしたいという思いが強い」(稲毛取締役)
今後は不動産事業とのシナジー効果創出も狙っていく構えだ。訪問介護を利用する人の住宅の修繕や、高齢者施設に入居することになった際の自宅の売却などを想定する。同社では介護施設紹介事業も行っているため、訪問介護の利用者が施設への入居を検討したときに同事業へ紹介することも見込んでいる。将来的には看護や薬の提供、看取りまでを行える体制をつくっていきたい考えだ。
西田コーポレーション
神奈川県厚木市
稲毛信洋取締役
(2025年11月10日2面に掲載)




