「ミーティングフォース」、8社の共同企画
システム開発のアスネット(東京都新宿区)は8月、人の手による書き込みを複数のタブレット端末にリアルタイムで反映するビジネスアプリ「ミーティングフォース」をリリースした。
同アプリは、8社共同のプロジェクト。
同社はアンドロイド端末版としてα版をリリースしたが、共同の一社・蒼空(東京都新宿区)は既にiPad版を公開している。
同アプリは、会議や打ち合わせの際に効力を発揮する。
例えば、不動産事業者であれば、間取り図をテーブルに置きながら、リフォームの打ち合わせをする場面が考えられる。
同アプリを使用した場合、順序としては、互いに用意したタブレット端末に間取り図の画像を起こす。
1人が「ここの壁を取り払おう」と画像に印を加えると、それが他の端末にも自動で反映され、打ち合わせがスムーズに進行する。
画像も保存できるため、書き込まれた間取り画像を社員全員に送信すれば、打ち合わせた内容を効率よくシェアできるのだ。
不動産事業者のみならず、すべての職業において応用が可能といえる。
しかし、似たアプリは他にも存在する。
8社協力してまで作り上げた「ミーティングフォース」にどのような勝算があるのだろうか。
開発担当の加藤宗続氏によると、「無駄な機能を徹底してそぎ落としました。いくら技術が進歩しても、ユーザーのITリテラシーに合わせないと使ってもらえませんから」。
例えば、ログイン機能。
アプリを起動する際、ユーザーが逐一暗号を入力しないと開くことができない、いわば玄関鍵のような存在。
開くたびに入力する煩わしさ、さらに付け足した周辺機能がかえって操作を複雑にしてしまい、普及に失敗したコミュニケーションアプリは数多く存在する。
逆にこの問題をクリアし人気を得たアプリもあり、億単位のユーザーを抱えるLINEは最たる例。
無料通話、無料チャットなど徹底的に簡略化したシンプルな操作性がユーザーの心をつかんだという。
「ミーティングフォース」でも、メモ・書き込みをシェアするという一点に機能を絞ることで、学生・会社員など幅広い層の支持獲得を狙う。
同アプリは10月中にβ版をリリース予定。
今年度中に正式版(1.0)を公開し、認知度を上げていく構えだ。