アパートの開発や戸建て住宅の建築を行うアゼリアホーム(神奈川県川崎市)は新型コロナウイルス下において積極的に土地を仕入れ、売り上げを4年で1.8倍に伸長。賃貸住宅の建築棟数も約2倍に増やした。
コロナ下で土地の仕入れ推進
物件の差別化注力 3割がリピーター
アゼリアホームは、賃貸住宅事業に注力することで業績を伸ばしつつ、利益率を高めてきた。さらなる売り上げ拡大を目指す同社の米山裕社長は「現在は賃貸住宅事業が大きな売り上げの柱となっているが、今後は実需向けの建売住宅にも力を入れて、経営の安定化を図りたい」と話す。
2024年5月期の売り上げは54億2700万円。そのうち、56%を占めるのが投資用アパートの開発事業だ。残りの約24%が住宅や投資用不動産の建築請負事業、約7%が中古物件や土地の再販を行う中古事業。そのほか、建築条件付きの土地や新築建売住宅の販売事業、賃貸管理・仲介事業も行う。
建築した賃貸住宅の約3割は同社で管理を受託している。
同社は1989年に実需向け住宅の売買仲介事業者として設立。91年には戸建て住宅の買い取り再販事業を開始した。2001年には戸建ての開発事業を、11年に投資用不動産の建築事業を始めた。
開発・建築する賃貸住宅は単身者向けで専有面積が15〜23㎡程度の物件がメインだ。今後、少子化で単身者向け住宅の市況が厳しくなるとみて、現在は、これまでの企画よりも専有面積を広めにとった物件での差別化に力を入れる。
22年からは猫共生型住宅を、23年からは犬も飼育できるペット共生型賃貸住宅を開始。現在は「ダブルインカム+One(ワン)」をコンセプトに2人と猫、もしくは小さい子どもがいる家庭をターゲットとした賃貸住宅を企画する。