民泊180日制限に「異議あり」
法律・制度改正|2016年06月04日
ちんたい政連が自民党議員へ要望書提出
19日にまとめた民泊をめぐる規制改革案をめぐって、賃貸業界から強い反発が起きている。
焦点は「年間提供日数180日以下」を取りやめられるか。
5月末の閣議決定に向け、ちんたい政連は撤廃を求める声をあげている。(1面参照)
「論外だ。業界としては受け入れられない」
5月25日の総会で、全国賃貸住宅経営者政治連盟(以下、ちんたい政連:東京都中央区)のメンバーらは口をそろえて述べた。
19日の規制改革会議で年間の営業日数の上限を180日までとする草案があがったためだ。
これを受け、ちんたい政連は要望書をまとめた上で自民党議員344名へと配布した。
要点は以下の4つだ。
(1)宿泊日数の制限を設けないこと。
(2)宿泊所の登録対象者は宅建業、旅館業、旅行業の登録者とすること。
(3)宿泊数の対象を「1泊以上」とすること。
(4)条例での制限を行わないこと。
総会にはちんたい議連に所属する議員のほか、全国賃貸住宅経営者協会連合会(以下、ちんたい協会:東京都中央区)のメンバーが参加した。
180日制限が盛り込まれた草案は5月末に開催される閣議で審議される。
一人でも多くの議員に業界の声を届ける構えだ。
閣議決定を通過すれば国会を通じて新法として成立する可能性もあるため、関係者は必死の形相で呼びかけている。
また総会では、ちんたい協会の会長として新たに日本賃貸住宅管理協会の三好修氏が就任することを発表した。
三好会長は「賃貸業界としての利益を追求するためではなく、日本全体の発展に貢献するために、民泊の日数制限の撤廃を求めていく」とコメントした。
【主な声】
石破茂地方創生大臣(59)
とにかく今、宿が足りない。
いくらインバウンドで4000万人といっても、泊まれるところがなければどうしようもない。
賃貸業界のためというより、日本国のためにやるべきものだ。
宿不足や空き家が多数あるということは日本国富の損失だ。
ちんたい協会:三好修新会長(61)
180日では民泊議論そのものが成り立たなくなる。
営業日数としては1泊2日でも2日とみなされると、実質の営業日は90日。
(営業日が一年のうち25%程度となるが、)マンスリー賃貸でも稼働率60%以下では赤字になってしまうのが実態。
参入は難しい。