賃貸住宅業界の4団体が加盟する「自由民主党・賃貸住宅対策議員連盟(ちんたい議連)」の2019年度総会が自民党本部で執り行われた。石破茂会長も出席し、業界団体が要望する諸政策に対し、関係省庁が現状報告をした。
「管理業の法制化」積極推進
中でも焦点が当てられたのは「賃貸住宅管理業の法制化と賃貸不動産経営管理士の国家資格化」と「民泊の過度な自治体規制の改正」の二つだった。
賃貸管理業の法制化について国土交通省は「関係省庁とかなり突っ込んだ検討をしている」と現状を報告した。
特に近年、サブリースをめぐる家賃保証トラブルが多発した関係で、国交省はサブリース実態調査を実施。現在、結果を発表するための取りまとめをしているという。
「いま私たちの判断としては、何かしらの形で法制化に向かって進むべきだろうと考えている」(国交省)という。
民泊の自治体規制法の趣旨を浸透
もう一つが、民泊領域。その中でも「民泊新法の趣旨を逸脱した過度な自治体規制」について速やかに改める要望に対して、一部の議員から「不適切な規制をすると、(民泊の)実体がもたなくなる」と意見が挙がり、観光庁に詳しい報告を求めていた。
観光庁は「広域的な区域で通年にわたり民泊営業を制限する過度な規制は、法の趣旨に照らし合わせて、適切でない旨を自治体に説明していきたい」と説明した。
自治体との意思疎通は、主に「連絡会議」で行う。民泊新法の施行前となる17年12月から連絡会議を随時開催し、累計で11回。引き続き法の趣旨の浸透を図る、とした。
一方、民泊については「民泊180日規制」をめぐり業界団体側が「宿泊日数の増加」を要望している。これについては、詳しい議論はされず、国交省は「新法を施行してまだ1年半。違法民泊の撲滅など、民泊の健全な発展・普及に取り組んでいきたい」といった言及にとどめた。
ちんたい議連には、自民党議員の9割が所属する。議員数は計350人(衆議員266人、参議員84人)。
総会冒頭、石破茂会長は「日本の人口は今後80年で半分になり、世界は倍になる。この中において賃貸はどうあるべきか。みなし仮設住宅は、災害時、非常に大きい役割をはたしていただいた」と話した。民泊の制度が本当に機能するかどうかは「しっかり検証していきたい」とした。
ちんたい議連としては、今後は重点政策チームを設置し、執行部に運営を一任する。