毎年夏の恒例企画「管理戸数ランキング2023」を発表する。23年は全国で200戸以上の賃貸管理を行う、全国の1093社が顔をそろえた。ハウスメーカーや建築会社を母体とする管理会社は新型コロナウイルス禍からの復調で完工数が伸びたことにより、受託戸数を増やした。ただ、土地と建築費の上昇傾向が止まらない中、中古ストックに目を向ける動きも活発化している。
中古ストック活用に意欲
相続が新たな商機生む
23年の管理戸数ランキングでは、大東建託グループ(東京都港区)が123万339戸と前回から2万8094戸増やし、首位を独走。10位に新たにランクインしたのは、賃貸住宅の建築に強みを持つ生和コーポレーション(大阪市)などを擁するSEIWA(セイワ)グループ(東京都千代田区)だ。前回と比べ1万563戸伸ばした。
建築会社系列の管理会社が、継続的に受託戸数を増やしている。だが、土地価格や建築費の高騰により、賃貸住宅の新築マーケットは厳しさを増す。そのような状況下で、中古物件の収益化に目を向け大手が動く。
大東建託グループは、中古賃貸住宅の買い取りリノベーション再販事業を本格化。相続の発生などによる売却が年間約1000棟ある中、相続人から物件を取得し、管理とセットで既存オーナーや投資家などに再販する。一方、積水ハウス不動産ホールディングス(大阪市)は、築25年以上になる管理物件のリノベを強化し、稼働率と収益力を高める。
賃貸住宅管理業法の施行により管理会社には、建物の維持・保全業務が一層求められるようになった。それに加え、自社で持つマーケットデータや物件情報を基にした物件の活用提案ができるかが、事業の成長性を左右することになりそうだ。
(2023年8月7日1・3面に掲載)