実証実験の結果を発表し、意見交換
国土交通省は、6月3日、「第2回 ITを活用した重要事項説明等のあり方に係る検討会」を開催した。
同検討会は、不動産取引に対する、テレビ電話やスカイプを活用した重要事項説明の実施などについて、そのあり方や実現に向けての課題等を話し合う会。
委員会は不動産関連団体や有識者らで構成される。
今回は、5月24~30日に行われた実証実験の結果を発表。
賃貸・売買仲介で分け、対面30分・テレビ電話による非対面30分の重要事項説明を行うAパターン、テレビ電話を用いた1時間半ほどの重要事項説明を行うBパターンを実施。
消費者側の内容理解を測る理解度テストや、アンケートを行った。
その結果、対面・非対面で重要事項説明の理解度について大きな差が見られなかった。その一方で、非対面で資料が多くなる場合、対面時とは異なる資料の提示方法が必要になるとの指摘があったという。
その後、各委員による意見交換を行った。
今回に限り、一般社団法人新経済連盟(東京都港区)の幹事としてネクスト(東京都港区)の井上高志社長が出席。
IT活用によるマーケット拡大の可能性を資料を元に説明した。
公益財団法人日本賃貸住宅管理協会(東京都中央区)からも宮代哲一理事が参加し、同協会の要望を発言。賃貸住宅の入居者の多くが若年層でインターネットは生活に不可欠なツール。検討会では、インターネット活用を前提に議論を進めることを強く希望する、と協会としての姿勢を明確に打ち出した。
熊谷則一弁護士は「IT化により履歴情報を蓄積できることは重要」と発言。
一方で、公益社団法人全日本不動産協会(東京都千代田区)の加藤勉氏は「一度、インターネット上で公開された情報は取り消しできない。本人情報がどこまで担保されるか、セキュリティーについても議論を進めていくべき」と意見を述べた。