コロナ禍契機にDX化 契約書作成は1通15分に
注文住宅の建築や不動産の売買、賃貸管理を手がけるアルフハウジング(岐阜県可児市)は、業務効率化のため賃貸仲介・管理業務のデジタル化を推進。顧客管理システムの追客機能を生かすことで、管理物件の申込件数が1年で3倍になった。
同社が賃貸仲介・管理業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)化に着手したのは、2020年夏ごろから。
まず、賃貸仲介におけるウェブ集客業務を効率化した。イタンジ(東京都港区)が提供する、不動産事業者間物件流通サイト「ITANDI(イタンジ) BB」と、3Films(スリーフィルムス:同)の物件情報のコンバートシステム「3之助CLOUD(クラウド)」を採用した。
ITANDI BBを利用し始めた当初は、ほかで利用するシステムとの連携ができず、物件情報をすべて手入力していた。そのため掲載する物件情報が最低限になってしまっていたという。人手を介さずウェブの情報を充実させるため、ポータルサイト、ITANDI BBすべてにデータをコンバートできる3之助CLOUDを新たに導入。最新の物件情報を自動で掲載できるようになったため、ITANDI BB上でも物件写真がポータルサイトと同じ点数、およびクオリティーとなり、情報の充実度が高まった。これにより、近隣の仲介会社からの申し込みが増加した。
さらに反響後の追客については、イタンジの「nomad cloud(ノマドクラウド)」の追客機能を活用。物件を検討中の顧客に、類似物件の自動提案ができるようにした。人手を増やさずとも、顧客ごとに成約しやすい物件を紹介できるようになり、管理物件の申込件数が大幅に増加した。21年8月~22年7月の申込件数は54件だったのに対し、22年8月~23年7月は156件と約3倍になった。自社付け率は約30%から約60%に高まっている。