国の指示の下、特定行政庁が調査を行う則武地所施工のアパートは事件の物件も含め166棟。木造2階建て以上で外階段がついている物件が対象となる。
本紙の独自取材では、八王子市で5棟、神奈川県厚木市で1棟、アパートの施工不備が見つかった。
厚木市で調査対象となった物件は16棟あり、目視で劣化や腐食がないかの確認を行った。そのうち1棟では、2階と3階の階段の踊り場の裏側で、明らかにボードが1枚不足した状態で施工されていた。厚木市は、調査の内容を物件の管理会社に報告し、オーナーに建物点検と入居者への通知を行うよう依頼をしたという。八王子市の施工不備内容は非開示。
調査対象が62棟あった相模原市では、全棟の調査を完了した。目視での確認では問題がなかったが、内部の腐食が起きている可能性なども踏まえ、オーナーに点検をするように注意喚起を行った。5月31日までをめどに各行政庁から国土交通省に調査の内容を報告する。
だが、則武地所のアパート施工不備問題は、さらに広がっていきそうだ。13日に横浜地方裁判所相模原支部に自己破産の申請を行った同社は、17日に行政庁に、同社が施工し劣化が見られる賃貸住宅57件についての報告書を提出した。
「まだ詳細は把握しきれていないが、166棟の調査がまとまりしだい、57件の物件の調査も管轄行政庁に依頼していく予定」(国交省担当者)